2021 年 118 巻 7 号 p. 618-627
2020年にIBD診療ガイドラインが発刊され,新規治療法を中心に多くのClinical QuestionやFuture Research Questionが掲げられている.抗TNFα抗体製剤は中和抗体産生の観点から免疫調節薬の併用が望ましいが,他の生物学的製剤については免疫調節薬併用の有用性を示した報告はない.抗TNFα抗体製剤の休薬は可能であるが,休薬後の再燃もあり慎重に対応すべきである.また新規治療薬の抗TNFα抗体製剤既使用例に対する有用性は確認されているものの,いずれも抗TNFα抗体製剤未使用例より有効性が劣ることや効果発現時期は製剤により異なるため,解釈には注意が必要である.