日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
原著
デキサメタゾン単独療法を行ったCOVID-19中等症II患者の肝障害についての検討
山崎 勇一金山 雄樹植原 大介須賀 孝慶田中 寛人戸島 洋貴栗林 志行佐藤 賢柿崎 暁浦岡 俊夫
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2022 年 119 巻 4 号 p. 332-341

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抄録

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)171例の肝障害について,呼吸不全の有無で層別化して検討した.さらにデキサメタゾン(Dex)単独療法を施行した41例の中等症II症例を対象として,投与前の肝障害の有無で層別化して検討した.171例の検討で,呼吸不全群では肝障害が64%と多く,呼吸不全群の独立危険因子は,高齢,男性,生活習慣病の合併,入院時LDH高値であった.Dex投与前肝障害群では肥満の合併が多く,肝臓CT値が有意に低下していた.Dex投与後の肝障害は,投与前の肝障害の有無で有意な差はなく軽度であった.Dex単独療法は肝障害出現の多いCOVID-19中等症IIに安全な治療法であった.

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© 2022 (一財) 日本消化器病学会
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