炎症性腸疾患(IBD)は,潰瘍性大腸炎とクローン病の指定難病に大別される.2020年より指定難病が疑われる患者を対象に遠隔連携診療料が定められたが,IBDでは確定診断済みの患者が重症化や難治化した際の加療に難渋することが多い.われわれは北海道難病医療提供体制整備事業として,確定診断済みを含むすべてのIBD患者を対象に無償で遠隔連携診療を開始した.2021年4月から12月までに,地域病院より36回のIBD遠隔連携診療の要請があった.このうち86%がIBD確定診断後の難治または重症患者であり,遠隔連携診療料の患者基準の範囲外であった.地域ごとの難病医療格差を是正するためには,遠隔連携診療料の基準見直しが急務である.