2003 年 100 巻 6 号 p. 702-706
77歳, 男性. 非B非C型肝硬変と慢性腎不全に対して保存的加療を受けていた. 肝細胞癌(HCC)治療目的で入院となり, 初回ラジオ波焼灼療法(RFA)直後に血清力リウム値が9.1mEq/llに上昇し, グルコースインスリン療法, ケイキサレート注腸を要した. 2回目のRFAでは術前の輸液,利尿剤投与にもかかわらず治療後血清力リウム値は7.1mEq/lまで上昇した. 慢性腎不全患者のHCCに対するRFAは, 高力リウム血症に十分留意する必要があると考えられた.