日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
脾動脈瘤と肺高血圧症をともなった門脈大循環短絡症の1例
奥村 浩二渡辺 秀紀堀江 裕子小沢 俊文土屋 豊一丹治 伸夫安斎 幸夫海上 雅光
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2003 年 100 巻 9 号 p. 1117-1122

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抄録

43歳, 女性. 主訴は労作時息切れと易疲労感. 腹部血管造影により上腸間膜静脈と左腎静脈を結ぶ門脈大循環短絡血管および脾動脈瘤を認め, 肺血管造影により肺高血圧症も確認された. 短絡血管を切離することが, 肝機能を改善するのみでなく肺高血圧症も改善すると判断し, 切除手術を施行した. 術後経過は順調で, 肝機能は改善し肺動脈圧は軽度低下していた. 門脈血流と肺循環との関連を示す興味深い症例と考えた.

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