日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
膵管造影の基礎的検討
加藤 景三
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1972 年 69 巻 5 号 p. 503-523

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抄録

膵管造影における正常および異常像を追求する目的で, 剖検例による検討を行ない, 次の結果を得た.1.主膵管走行を4型, 副膵管走行を3型に分類した.各走行型について, 発生学的に考察することにより, 複雑な膵管系の走行が比較的容易に理解できる.2.主, 副膵管および胆管は種々の開口型式をとるが, 開口型式と走行とは相関が認められる.3.主要分枝以外の分枝最大径1mm以上, 分枝の辺縁波状, 数珠状拡張および嚢状拡張所見は, 膵管上皮の過形成または化生, および管内粘液様物質貯溜と密接な関係がある.4.膵癌では, 主膵管の辺縁硬化を伴う狭窄および閉塞と分枝の中断ならびに直線化所見が認められる.狭窄部より尾側の膵管は拡張する.

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