日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
Amylase isoenzymeの臨床的研究
膳所 富士男柴田 秀子石井 兼央
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1974 年 71 巻 1 号 p. 16-24

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抄録

ヒト血清および尿amylaseは, fast-γ グロブリン領域の膵由来のisoamylaseとpre-γ 領域の唾液腺由来のisoamylaseに分離するとされるが, 由来臓器の明白な高アミラーゼ血症例でこのことを確認し, また “fast-γ” と “pre-γ” の中間に出現するisoamylaseの存在をみとめ, これは膵由来でかつ膵損傷時に出現することを, また “pre-γ” より原点よりに出現するisoamylaseには膵由来と唾液腺由があることも明らかにした.これらのisoamylaseはSephadex G-100を用いたゲル濾過で単一物質であることからsubunitではないことを推定した.さらに患者血清のisoamylaseを分離同定し各疾患におけるisoamylase patternの意義を検討した.

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