奥田, 藤井が報告したleucinamideを基質とし, 酵素作用で遊離するammoniaを直接比色定量する新しい測定法を用い, 健常および諸種疾患の血清leucine aminopeptidase (LAP) 活性を測定し, 従来のleucyl-β-naphthylamideを基質とする方法で得た値と比較し, 両法で得たLAPの臨床的意義について検討した.急性肝炎のように肝細胞障害が著しい場合には, leucinamideを基質として得たLAP活性 (LAP-NH
3) は, leucyl-β-naphthylamideを基質として得たLAP活性 (LAP-Nap) より高値を示し, 閉塞性黄疸では後者が前者より高値を示す傾向がみられた. TEAE cellulose columnにより検討すると, ラット血清LAPにはLAP-IとLAP-IIの2つの異なつたpeakがあり, 正常ラットのLAP-IではLAP-NH
3が高く, LAP-IIではLAP-Napが高い. CCl
4障害ラットの血清LAPの著しい増加は, LAP-Iに属するLAP-NH
3の著しい増加と, LAP-IIに属するLAP-NH
3とLAP-Napの軽度の増加による.
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