日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
71 巻 , 1 号
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  • 神津 忠彦, 竹内 正, 竹本 忠良, 竹内 利行, 松島 泰次郎, 杉村 隆
    1974 年 71 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 1974/01/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    高amylase血症の鑑別診断を目的として血中のamylase isozymeの簡便な分離定量法を確立した.定量化には再現性があつた.正常血液中の主なamylase isozymeとして唾液型と膵臓型が分離された.血中での正常値は唾液腺型が35~113somogyi単位/dl, 膵臓型が27~83somogyi単位/dlであつた.唾液腺型の増加は唾液腺炎, 一部の肝胆道疾患に認められ, 膵臓型の増加は膵疾患あるいは膵管造影後にみられた.この方法により高amylase血症の鑑別診断が少なくとも膵疾患と非膵疾患の弁別という点で可能なことを示した
  • 膳所 富士男, 柴田 秀子, 石井 兼央
    1974 年 71 巻 1 号 p. 9-15
    発行日: 1974/01/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    寒天電気泳動法によりrat血清amylaseはγ-グロブリン領域とα2~β領域に分離した.膵全別rat血清ではγ 領域のamylaseが消失し, 急性膵炎rat血清amylaseはγ領域でのみ有意に増加し, 膵ホモジネートのamylaseはγ領域にのみ認められるのでγ領域のamylaseは膵由来のisoamylaseであること, また唾液腺ホモジネートのamylaseはα~2β領域にのみ存在するので唾液腺由来のisoamylaseはα2~β領域であることを確認した.さらにisoamylase定量が可能であること, isoamylaseはamylase subunitではないことをのべた.この成績はヒト血清isoamylaseの存在を実験的に確認し, isoamylaseの分離定量による膵疾患の診断に有効であることを示唆した.
  • 膳所 富士男, 柴田 秀子, 石井 兼央
    1974 年 71 巻 1 号 p. 16-24
    発行日: 1974/01/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    ヒト血清および尿amylaseは, fast-γ グロブリン領域の膵由来のisoamylaseとpre-γ 領域の唾液腺由来のisoamylaseに分離するとされるが, 由来臓器の明白な高アミラーゼ血症例でこのことを確認し, また “fast-γ” と “pre-γ” の中間に出現するisoamylaseの存在をみとめ, これは膵由来でかつ膵損傷時に出現することを, また “pre-γ” より原点よりに出現するisoamylaseには膵由来と唾液腺由があることも明らかにした.これらのisoamylaseはSephadex G-100を用いたゲル濾過で単一物質であることからsubunitではないことを推定した.さらに患者血清のisoamylaseを分離同定し各疾患におけるisoamylase patternの意義を検討した.
  • 柴田 光一
    1974 年 71 巻 1 号 p. 25-43
    発行日: 1974/01/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    この研究は外科的黄疸においてその閉塞手段および経過により肝組織像がいかなる変化をしめすかをさらに明らかにせんと行われた.胆石症, 悪性閉塞性黄疸27例より開腹時に肝辺縁一部肝組織を切除し光顕, 電顕的に組織検査を行つた.これらに文献的考察を加えいくつかの知見をえた.閉塞の程度および持続とともに種々の程度に肝細胞損傷がみとめられるがさらに炎症がこれを助長するように思われた.閉塞により次第に肝細胞のイオン交流に変化を生じると考えられた.黄疸発生の一原因と考えられる胆汁成分の逆流を思わせる所見をみとめた.胆石症と比して胆道癌, 膵癌には肝細胞の糸粒体, 小胞体, polysomeの増多傾向をみとめた.
  • 伊東 進
    1974 年 71 巻 1 号 p. 44-58
    発行日: 1974/01/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    奥田, 藤井が報告したleucinamideを基質とし, 酵素作用で遊離するammoniaを直接比色定量する新しい測定法を用い, 健常および諸種疾患の血清leucine aminopeptidase (LAP) 活性を測定し, 従来のleucyl-β-naphthylamideを基質とする方法で得た値と比較し, 両法で得たLAPの臨床的意義について検討した.急性肝炎のように肝細胞障害が著しい場合には, leucinamideを基質として得たLAP活性 (LAP-NH3) は, leucyl-β-naphthylamideを基質として得たLAP活性 (LAP-Nap) より高値を示し, 閉塞性黄疸では後者が前者より高値を示す傾向がみられた. TEAE cellulose columnにより検討すると, ラット血清LAPにはLAP-IとLAP-IIの2つの異なつたpeakがあり, 正常ラットのLAP-IではLAP-NH3が高く, LAP-IIではLAP-Napが高い. CCl4障害ラットの血清LAPの著しい増加は, LAP-Iに属するLAP-NH3の著しい増加と, LAP-IIに属するLAP-NH3とLAP-Napの軽度の増加による.
  • 中野 哲, 堀口 祐爾, 竹田 武夫, 戸田 安士, 早川 哲夫, 中島 澄夫, 野田 愛司, 鈴木 敏行, 中村 昌男
    1974 年 71 巻 1 号 p. 59-65
    発行日: 1974/01/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    健常者43例と開腹手術およびレ線で診断の明らかな膵石症と胆石症の99例の合計142例のパンクレオザイミン, セクレチン試験の成績の検討から, 本試験の判定において従来の3因子で評価すれば軽度膵障害群の異常率は低いが, Pancreozymin投与後30分間 (Biliary phase) と, Secretin投与後60分間 (Pancreatic phase) をそれぞれ10分間隔で採液し, M.G値, 液量, Amylase濃度および分泌量, 重炭酸塩濃度とその分泌量の各Parameterの経時的変動, すなわち分泌パターンをみれば極めて有用で軽度の膵外患泌障害を見出しうる.とくに各ParameterともにPancreatic phaseの後半で異常を呈してくることが多い.
  • 馬場 正三
    1974 年 71 巻 1 号 p. 66-74
    発行日: 1974/01/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 菅田 文夫, 清水 盈行
    1974 年 71 巻 1 号 p. 75-80
    発行日: 1974/01/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 島野 毅八郎, 沓掛 伸二, 永森 静志, 長野 英世
    1974 年 71 巻 1 号 p. 81-85
    発行日: 1974/01/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    種々の型の慢性肝障害について, オーストラリア (Au) 抗原の出現状況を調べ臨床的諸事項と対比検討した.Au抗原は慢性肝炎, 肝硬変症例の約1/3に, 肝癌症例の1/2に陽性であつたが, 他の慢性肝障害では陰性であつた.Au抗原陽性の慢性肝疾患群では陰性のそれに比較すると, 家族に肝疾患をもつもの, 肝疾患の既往歴をもつものが多かつたが, 輸血歴, 手術歴では差がみられなかつた.酒客で慢性肝障害を有するものの中14%にAu抗原が陽性であつた.肝機能検査では, RAテストが90%陽性で有意に高く, その他の検査では差がなかつた.Banti症候群6例中4例にAu抗原が陽性で, その中1例はCruveilhier-Baumgarten症候群とみなされるものであつた.
  • 宇都宮 譲二, 馬来 忠道, 岩間 毅夫, 松永 康夫, 市川 敏郎, 下村 禎, 浜口 栄祐, 青木 望
    1974 年 71 巻 1 号 p. 86-95
    発行日: 1974/01/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    異なる6家系に属する家族性大腸ポリープ症例15例の胃について信頼しうる情報を入手することが出来た.その内訳は, レントゲン, 内視鏡による臨床的検査所見11例, 切除胃2例, 剖席材料2例である.
    この中10例66.7%に隆起性病変を発見した.この数値は本症に関する全国調査の結果 (10%) よりいちじるしく高い.われわれの収集した胃ポリープ陽性例は, 6家系のすべてに分布しているから, われわれが特種な家系のみを検査の対象としたとは考えられないので, 従来は胃に関する検査が不充分でこれらが見落されたのであり, 胃ポリープは本症の本質の一部であると考える.
    本症の胃ポリープは, 組織学的には中村III型ポリープ, ATP, II a subtypeのなどとよばれているものに属するもの, すなわち真性の腫瘍であるが, 多発することが特徴的である.
    以上の事実は, 本症が大腸の限局性の疾患ではなく, 全身性疾患であることを示すものと考える.
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