1976 年 73 巻 10 号 p. 1222-1231
過去2年間に23例の遺残結石症及び10例の肝内結石症を含む胆石症90例に対してのべ292回の術中•術後胆管内視鏡検査を行ない, これらの経験に基き本法の有効性ならびに問題点につき論じた.
診断に関しては, 内視鏡下に行う胆道内観察に加えて選択的胆管造影により,特に肝内結石症の病態の把握が容易になつた.
治療上の応用としては, 術中胆道内結石の摘出はもとより, 術後の胆道内遺残結石の内視鏡下非観血的摘出に極めて有効な方法である. 更に, 肝内結石症に対し内視鏡下結石摘出を試みている.