日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
73 巻 , 10 号
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  • 奥山 澄彦, 加藤 陽一郎, 船山 瑛, 日下部 篤彦, 原 建樹, 山脇 患晴, 黒川 晋, 稲垣 孝雄, 伊藤 庄三
    1976 年 73 巻 10 号 p. 1163-1168
    発行日: 1976年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    GOTには細胞上清分画に局在するs-GOTとミトコンドリアに局在するm-GOTの細胞内局在を異にする2種類の isoenzyme が存在する. 和田らは血清中のs-GOTを抗ヒトs-GOT抗体により吸着除去し, m-GOTを直接測定する方法を開発した. 著者らはこの方法により, 健常成人10例と肝疾患83例の血清m-GOTを測定した. 急性肝炎で total GOTが1500 I.U.の高値を示す症例においてもm-GOTは30 I.U.以下であつたが, 劇症肝炎例では total GOT 3690 I.U., m-GOT 295 I.U. と極めて高い値を示し, 肝の広範な変性壊死を生じた症例ではm-GOTの特異的な増加が認められた. この結果から肝疾患々者血清のm-GOT測定は予後判定に役立つとともに, 特に劇症肝炎の診断に重大な意義をもつことが明らかにされた.
  • 村田 原庸, 佐久間 晃
    1976 年 73 巻 10 号 p. 1169-1181
    発行日: 1976年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    胃癌の進展様式を検索するため, 早期胃癌236病変の粘膜層の癌の拡がりおよび patch の面積を組織学的に計測した. 癌の拡がりは粘膜内癌, 粘膜下層癌ともに対数正規分布を示した. 粘膜下層癌と粘膜内癌の癌の平均面積の比を拡大係数とすると, その値は1.58であつた. 拡大係数と patch の点から進展様式をみると, 陥凹型, 低分化型癌では拡大係数は小さく, 粘膜内癌の時の patch の面積が広い点より, 広い範囲に多中心性に発癌し, patch を埋めつくすような発育様式をとるものと思われた. 隆起型, 分化型癌では, 粘膜内癌の時の癌の面積が小さく, 拡大係数が大きい点より, 小範囲に発癌し, 同心円的に拡大進展する傾向が示唆された.
  • 綱島 武彦
    1976 年 73 巻 10 号 p. 1182-1187
    発行日: 1976年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    動物の膵臓に, リボヌクレアーゼ活性があることは, 早くから知られており, その特異性などについて研究されている. 膵疾患とその活性との相関については, 若干の報告がある. 著者は, パンクレオザイミン•セクレチン試験の際採取される十二指腸液, 血清, 尿のリボヌクレアーゼ活性と各消化器疾患との相関に興味をもち, まずその測定法について検討した. 基本的には, 十二指腸液, 血清,尿のいずれにおいても, 以下の反応条件下でその活性は測定可能である. 即ち, 3mgのRNA, 検体0.1mlを含み, 0.05M Tris-HCl, pH8.0, 反応液1.0ml中で, 37°C, 30分反応させたのち, ウラニル試薬で, 未消化のRNAを沈澱させ, 遠心後, 上清のOD260を測定する.
  • 小栗 剛, 春日井 達造, 久野 信義, 大谷 元彦
    1976 年 73 巻 10 号 p. 1188-1196
    発行日: 1976年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    慢性膵炎においてERCPの grade に関するPS test の各因子の回帰を求めると, 総液量***, 総 amylase 排出量***, 最高重炭酸塩濃度***とそれぞれ有意の回帰を得た. ERCPの grade に関するPS test の低下因子数の回帰を求めると, m-s以下低下因子数***, m-2s以下低下因子数***といずれにも有意の回帰を得た. 回帰直線からその標準偏差以上離れた不一致症例のERCPを検討すると, 判定基準の上で, PS test が機能的平均値であるのに対し, ERCPが形態的最大値である点が, 両者の間に不一致を生ずる原因と考えられる. 充分に造影されたERCPが得られれば, 形態的平均値 mean grade ∑fG/∑fをだすことも可能である.
  • 藤堂 彰男, 三宅 健夫, 洲崎 剛, 大石 雅己, 酒井 正彦
    1976 年 73 巻 10 号 p. 1197-1206
    発行日: 1976年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    胃潰瘍治癒過程3症例の再生上皮の走査電子顕微鏡的観察を行つた. Ul-II 小潰瘍では, 潰瘍辺縁の粘膜上皮の先端が急激に低く先細りして細胞索が束状となり隣接せるものと融合して潰瘍底を被つている. これらの細胞索は潰瘍中心部に向う. Ul-III 症例では辺縁再生柵状構造の先端が急激に細くペン先状となり, その裾野より潰瘍底を敷きつめる一層の平担な細胞集団が認められる. 時にこれらの細胞は, 念珠状の配列をとり, 並行して並び二股に分岐するものもある. そのmicrovilli は太短かく不規則である. Ul-IV難治性潰瘍例では, 潰瘍辺縁は柵状あるいは, 横断する溝で分断された角ばつた初期の敷石状構造をとる場所や, 丸味を帯びた成熟型敷石状構造をとる場所が認められた.
  • 宮田 金泰, 須賀 昭二, 鷲野 正身, 恒川 洋, 河合 直樹
    1976 年 73 巻 10 号 p. 1207-1213
    発行日: 1976年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    Closed Circuit Cytoglomeration and Plasma Exchange (3C-PE) は肝性昏睡の治療を目的として本院ではじめて考案された新しい交換血漿法である. 本法により8例の肝性昏睡患者を治療した. その結果劇症肝炎の1例が救命された. 亜急性肝炎の症例 (1例) は3C-PEにより昏睡から覚醒した. 肝硬変昏睡患者では6例中3例において本治療によつて一時的な意識の改善がみられた.
  • 鮫島 美子, 水野 孝子, 笹川 美年子, 塩崎 安子, 龍見 幸二
    1976 年 73 巻 10 号 p. 1214-1221
    発行日: 1976年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    さきに私どもは, 昭和19年から48年末までの30年間に国内の医学雑誌に報告された薬物性肝障害症例を集計したが, 今回は大正14年から昭和49年末までの50年間の集計を実施した. この期間には総数3,330例の報告があり, 50年間を10年毎に5年代にわけ, 各10年毎の報告数をみると, 昭和40年代に症例が集中していた. 起因薬物を薬効別に分類すれば, 最多は化学療法薬, ついで中枢神経作用薬, 抗生物質, 循環器作用薬, ホルモン•ホルモン作用物質, 診断用薬の順で, これらの合計は総報告症例の90.22%をしめる. また個々の薬物別では, 有機砒素剤, thorium dioxide, DH 剤, ethionamide 系, chlorpromazine, erythromycin estolate, サルフア剤, PASなどによる肝障害症例が多かつた. 起因薬物のうち報告数の多いものにつき, 診断方法, 予後の集計を実施した. なお狭義の中毒性肝障害は, 過去50年間に877例の報告がみられた.
  • 四方 淳一, 山川 達郎, 渡辺 哲弥, 三重野 寛治, 岡 壽士, 埜口 武夫, 小牧 文雄
    1976 年 73 巻 10 号 p. 1222-1231
    発行日: 1976年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    過去2年間に23例の遺残結石症及び10例の肝内結石症を含む胆石症90例に対してのべ292回の術中•術後胆管内視鏡検査を行ない, これらの経験に基き本法の有効性ならびに問題点につき論じた.
    診断に関しては, 内視鏡下に行う胆道内観察に加えて選択的胆管造影により,特に肝内結石症の病態の把握が容易になつた.
    治療上の応用としては, 術中胆道内結石の摘出はもとより, 術後の胆道内遺残結石の内視鏡下非観血的摘出に極めて有効な方法である. 更に, 肝内結石症に対し内視鏡下結石摘出を試みている.
  • 大野 孝則, 大藤 正雄, 河村 浩一, 税所 宏光, 土屋 幸浩, 木村 邦夫, 与儀 裕, 唐沢 英偉, 伊藤 文憲, 鈴木 泰俊, 守 ...
    1976 年 73 巻 10 号 p. 1232-1246
    発行日: 1976年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    胆のうの退影度が良好な胆のう胆石症39例に, 胆石溶解の目的で chenodeoxycholic acid 500mg/日または300mg/日め経口投与を3カ月以上最長18カ月間にわたつて行つた.
    X線不透過性胆石の4例には効果がみられなかつたが, X線透過性胆石において13例に胆石消失, 8例に胆石縮小がみられた. 500mg/日投与の小, 中胆石では1年までに17例中16例に効果が認められた.
    副作用として下痢が500mg/日投与27例中7例 (26%) にみられた. 肝機能検査の異常を8例に認めたが, いずれも軽度, 一過性であつた. 肝の組織学的検索 (光学顕微鏡12例, 電子顕微鏡8例) では, 薬剤によるとみなされる肝障害は認められなかつた. 血清コレステロールおよびトリグリセライド値は不変であつた.
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