1976 年 73 巻 7 号 p. 822-831
Heidenhain pouch 犬8頭を用い, 胃を胃体部と幽門洞境界部で横切離し, 迷走神経幽門洞枝温存群,切離群の各々4頭を作成した. 空腹時及び食餌刺激時の血清ガストリン値並びに胃液分泌の横切前後における変動を追求した. 空腹時血清ガストリン値は横切後に上昇し, 酸分泌は低下した. また横切前では, 食餌刺激時の血清ガストリン値並びに酸分泌は, 空腹時に比べ共に上昇を示したが, 横切後では, 食餌刺激による血清ガストリン値の上昇が一層強され, 酸分泌では, 食餌刺激による上昇が減弱する傾向がみられた. さらに, 二群における比較から, 幽門洞枝切離群の方が, 温存群に比べ, これらの傾向が一層増強されることを明らかにした.