日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
点滴静注胆道造影における制限因子の解析
今 哲二
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1976 年 73 巻 9 号 p. 1045-1055

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抄録

点滴静注胆道造影法 (DIC) の4法 (A, B, CおよびD法) のうち1つないし2つの方法を施行した計566例の退影能を調べた. A法について, 胆のう, 胆管の造影率と肝機能検査との関係を検討すると, 造影率低下は, 胆のうでは肝から胆汁への排泄障害が, 胆管では血中から肝へのとりこみの障害が主因となつていた. BD法では胆のう, 胆管ともに, これらの制限因子は除去され, C法では胆のう, 胆管ともに血清総ビリルビン3.0mg/dl, KICG 0.050, R15ICG 40.0%で造影率が低下した. 造影率と撮影時間の関係は, ICG正常例では, 胆のうは点滴終了後90分で, 胆管は30分で最高の造影率を示した. KICG 0.100以下, R15ICG20.0%以上の例では, 胆のうは120分で, 胆管は60分で造影率はもつとも高く, 造影の遅延がみられた.

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