日本消化器病学会雑誌
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インシュリン低血糖による内因性ガストリン放出機序に関する実験的研究
塩野 潔
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1977 年 74 巻 10 号 p. 1297-1308

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抄録

雑種成犬を用いて正常犬, M. V. 犬, POB犬, 6-OHDA犬, T. V. 犬, S. P. 犬, T. V.+S. P. 犬の各群5頭ずつを作成して, インシュリン静注前, 静注後10分毎に60分まで採血し, 血中ヒスタミン, セロトニン, ノルェピネフリン, ガストリンを測定した. ヒスタミンは正常犬, M. V. 犬で上昇, 5-HTは全群で殆んど変動せず, N. E. は正常犬, M. V. 犬, T. V. 犬で増加し, 交感神経遮断群で抑制, ガストリンはT. V.+S. P. 犬を除く全群で増加していた. イソシュリン低血糖による内因性ガストリン放出機序としては視床下部一迷走神経系以外にいわゆる交感神経系の関与の方がより大きく, ガストリン放出の最終メディエーターとしてはヒスタミンが強く疑われる.

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