日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
膵と耳下腺の連関性反応成立機序に関する実験的研究
parabiotic rat を用いて
笹原 政美柿崎 五郎高橋 孝添野 武彦東海林 茂樹石舘 卓三瀬野 尾章
著者情報
キーワード: , 耳下腺, アミラーゼ, 膵炎
ジャーナル フリー

1978 年 75 巻 1 号 p. 49-58

詳細
抄録

膵と耳下腺の連関性反応のメカニズムを解明する目的で, 同腹, 雄の Wistar 系ラットを用いて Parabiosis を作製し, 一方のラットに膵炎を惹起させ, その際の同側および対側ラットにおける血清アミラーゼ, 膵および耳下腺の酵素学的ならびに組織細胞学的検索を行なつた. その結果, 膵炎作製側ラットおよび対側ラットの血清アミラーゼ値はともに上昇し, また両ラットの耳下腺は何れも組織内アミラーゼ値の低下を示し, 組織細胞学的にも糞似した病的所見を呈した. すなわち, 膵病変の存在において発生する耳下腺の病的変化は, 体液性機構によることが立証された.

著者関連情報
© 財団法人 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top