1978 年 75 巻 1 号 p. 49-58
膵と耳下腺の連関性反応のメカニズムを解明する目的で, 同腹, 雄の Wistar 系ラットを用いて Parabiosis を作製し, 一方のラットに膵炎を惹起させ, その際の同側および対側ラットにおける血清アミラーゼ, 膵および耳下腺の酵素学的ならびに組織細胞学的検索を行なつた. その結果, 膵炎作製側ラットおよび対側ラットの血清アミラーゼ値はともに上昇し, また両ラットの耳下腺は何れも組織内アミラーゼ値の低下を示し, 組織細胞学的にも糞似した病的所見を呈した. すなわち, 膵病変の存在において発生する耳下腺の病的変化は, 体液性機構によることが立証された.