Coon によつて株化されたラット肝細胞 (Coon 細胞) を標的肝細胞として用い, microcytotoxity assay 法により, 慢性肝疾患患者リンパ球の肝細胞障害能を検し, 以下の結論をえた. 1) Coon 細胞を, 抗ラット不溶性肝細胞膜抗血清で蛍光抗体間接法により染めると, その膜がよく可染され, 肝細胞膜特異性がよく保持されていた. 2)慢性活動性肝炎患者の末梢血リンパ球が高率に肝細胞障害能を示し, そのeffector cell は non E-RFCの分画に含まれていた. 3) Chang liver cell を標的肝細胞として, 同様の方法で検すると, 健常者リンパ球にも障害能が出現したので, 不適当だと判断された. 一方, ラット胎児細胞を標的細胞に用いると, 慢性活動性肝炎リンパ球には細胞障害能がみられなかつた. 以上から, 慢性肝炎患者ランパ球の microcytotoxicity assay には, Coon 細胞が最良であり, それを障害するリンパ球の活性に, なんらかの特異性がみられた.
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