日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
75 巻 , 1 号
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  • 佐藤 信紘, 鎌田 武信, 七里 元亮, 川野 淳, 林 紀夫, 中川 彰史, 松村 高勝, 岸田 隆, 福田 益樹, 阿部 裕, 萩原 文 ...
    1978 年 75 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    われわれの開発した臓器反射スペクトル測定装置を用い, 胃粘膜の散乱反射スペクトル分析を行なつた結果, 循環系に由来する色素と, 粘膜細胞系に由来する色素を識別して, 血流動態と細胞内代謝動態を in vivo で無侵襲に連続的に検出することができた. 出血性ショックの際には, 反射スペクトル吸収強度の減少, オキシヘモグロビン吸収の消失, 細胞内呼吸酵素の還元レベルの増加が病変の出現以前にみられ, ショックによる粘膜血流の低下と粘膜細胞内 hypoxia, anoxia が示され, これらが病変の準備状態を示す重要な指標であつた.
    このことより, 出血性ショックによる胃粘膜出血•ビランは粘膜血流不全, hypoxia による好気性エネルギー代謝破綻が主因であることが実証された.
  • 亀山 仁一, 関根 毅
    1978 年 75 巻 1 号 p. 9-19
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    胃•十二指腸潰瘍140例を対象とし, 各種の胃手術を行ない, 術後, 遠隔時のインスリンおよびヒスタミン刺激における胃液, 特にペプシン分泌を中心に検討した. さらに, ペプシン分泌からみた迷切術の効果判定, 十二指腸潰瘍に対する手術々式の選択についても検討を行つた.
    成績: 1) インスリンおよびヒスタミン刺激に対するペプシン分泌は胃酸分泌と異なる反応を示した. 2) ペプシン分泌の刺激効果についてみるとインスリンはヒスタミンよりも強い反応を示した. 3)ペプシン分泌からみると胃潰瘍に対する手術々式として幽門保存胃切除術および分節的胃切除術は広範囲胃切除術 (BI) よりも生理的である. 4)迷切兼幽門形成術および迷切兼胃半切除術の遠隔時のインスリン刺激にあけるPPOの減少率はそれぞれ80, 92%, ヒスタミン刺激では52, 74%であつた. 5)迷切兼幽門形成術を施行した症例ではインスリン刺激におけるPPOが100チロジン•mg/hr以下であれば迷切術は十分と考えられる. 6)十二指腸潰瘍の手術々式の選択に関してインスリン刺激における術前のPPOが500チロジン•mg/hr以下の症例には迷切兼幽門成形術, 500~1250チロジン•mg/hrの症例には迷切兼胃半切除術, 1250チロジン•mg/hr以上の症例には広範囲胃切除術などペプシン分泌の減少率のさらに大きな術式を選択することが妥当と思われる.
  • 渡部 洋三, 沢田 芳昭, 加藤 弘一, 塩野 潔, 清水 浩, 宮上 寛之, 近藤 慶一郎, 金沢 寛, 若林 厚夫, 津村 秀憲, 城所 ...
    1978 年 75 巻 1 号 p. 20-27
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    われわれは insulin 静注後の胃内外分泌機序を検討するために, 49例の十二指腸潰瘍症例を用い, insulin 静注 (10~20IU/B.W.) 後および薬物迷功+insulin 静注後の胃液分泌ならびに血中 gastrin の変動を検討した. その結果次のことが分つた. insulin 静注後の内因性 gastrin の放出は, 迷走神経を介する刺激経路の他に, 後部視床下部-交感神経系を介する刺激経路によつても促され, その刺激能力は後者の経路の方が優位のようである. 一方 insulin 静注後の胃液分泌は, 主として迷走神経の壁細胞に対する直接刺激によつて行われており, 幽門部より放出された内因性 gastrin の間接的刺激作用は弱い.
  • 新谷 寿久, 野々村 昭孝, 太田 五六, 小林 健一, 加登 康洋, 杉岡 五郎
    1978 年 75 巻 1 号 p. 28-33
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    Coon によつて株化されたラット肝細胞 (Coon 細胞) を標的肝細胞として用い, microcytotoxity assay 法により, 慢性肝疾患患者リンパ球の肝細胞障害能を検し, 以下の結論をえた. 1) Coon 細胞を, 抗ラット不溶性肝細胞膜抗血清で蛍光抗体間接法により染めると, その膜がよく可染され, 肝細胞膜特異性がよく保持されていた. 2)慢性活動性肝炎患者の末梢血リンパ球が高率に肝細胞障害能を示し, そのeffector cell は non E-RFCの分画に含まれていた. 3) Chang liver cell を標的肝細胞として, 同様の方法で検すると, 健常者リンパ球にも障害能が出現したので, 不適当だと判断された. 一方, ラット胎児細胞を標的細胞に用いると, 慢性活動性肝炎リンパ球には細胞障害能がみられなかつた. 以上から, 慢性肝炎患者ランパ球の microcytotoxicity assay には, Coon 細胞が最良であり, それを障害するリンパ球の活性に, なんらかの特異性がみられた.
  • 岩崎 泰彦, 大久保 昭行, 亀井 幸子, 小坂 樹徳
    1978 年 75 巻 1 号 p. 34-43
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    急性肝障害時の血清GOTアイソザイム活性を免疫法により経時的に測定した. 活性値を片対数グラフにプロットすると, 一過性循環不全による肝障害患者4例の減少速度が最も速く, その見かけ上の半減期はSGOTが0.6日, GOT-mが0.46日, GOT-sが0.63日であつた. 良好な経過を示したハローセン肝障害2例, 劇症肝炎1例ではGOT-sが減少する前にGOT-mが半減期0.65日以内で急速に減少した. 急性肝障害時にGOT-mの見かけ上の半減期が0.46日に近い速度で減少する場合, 肝細胞壊死を来たす障害因子はすでに消失していると考えられた. GOTアイソザイムの減少速度の解析は急性肝障害の病態解析の上に有効であることを示した.
  • 滝本 正美, 臼田 定和
    1978 年 75 巻 1 号 p. 44-48
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    ラットにエチオニンを投与すると肝のATPレベルは低下するが, ATPを十二指腸内に投与すると投与量に応じて肝ATPレベルは回復した. ADPを十二指腸内に投与した場合にも回復傾向がみられたが, AMP, アデノシンおよびイノシンを投与してもその回復は認められなかつた. ATP投与例の門脈血漿中にはAMP, イノシンが認められ, AMP, アデノシンの投与例では尿酸の増加が認められた.〔8-14C〕ATP, 〔8-14C〕AMPおよび〔8-14C〕アデノシンのそれぞれを十二指腸内に投与し肝のヌクレオチド分画への放射能分布をみると, ATP投与例において他の2者と比べ著明に多く, 腸管内に投与されたATPが肝におけるヌクレオチド合成に関与していることが示された.
  • 笹原 政美, 柿崎 五郎, 高橋 孝, 添野 武彦, 東海林 茂樹, 石舘 卓三, 瀬野 尾章
    1978 年 75 巻 1 号 p. 49-58
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    膵と耳下腺の連関性反応のメカニズムを解明する目的で, 同腹, 雄の Wistar 系ラットを用いて Parabiosis を作製し, 一方のラットに膵炎を惹起させ, その際の同側および対側ラットにおける血清アミラーゼ, 膵および耳下腺の酵素学的ならびに組織細胞学的検索を行なつた. その結果, 膵炎作製側ラットおよび対側ラットの血清アミラーゼ値はともに上昇し, また両ラットの耳下腺は何れも組織内アミラーゼ値の低下を示し, 組織細胞学的にも糞似した病的所見を呈した. すなわち, 膵病変の存在において発生する耳下腺の病的変化は, 体液性機構によることが立証された.
  • 船越 顕博, 松本 雅裕, 若杉 英之, 井林 博
    1978 年 75 巻 1 号 p. 59-63
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    Polycytidylic acid (poly C) を基質とする Reddi らのヒト血清中膵由来RNaseの特異的徴量測定法を検討し, 特に膵癌における臨床的有用性を確認した. Poly Cを基質とする膵由来RNaseの至適PHはO. IM phosphate borate buffer で6.5であつた. 膵癌において血清RNaseは著明に増加し, 慢性膵炎では増加を認めなかつた. 血清RNaseの平均値は対照15例, 慢性膵炎17例, 膵癌13例, 他の癌17例でそれぞれ, 91, 124, 393, 168U/mlであつた. また腎機能不全例では増加を示した. 臨床経過観察例で血清RNaseは化学療法の効果とともに減少を示した. 以上の結果より血清RNase測定は膵癌の生化学的診断の有力な指標になりうるものと思われる.
  • 木村 健, 酒井 秀朗, 井戸 健一, 古川 哲夫, 近藤 邦夫, 関 秀一, 高橋 邦生, 土谷 昌久, 山中 桓夫
    1978 年 75 巻 1 号 p. 64-70
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 野口 雅裕, 成木 行彦, 松尾 賢二, 吉田 誠, 大橋 賢, 水落 勝明, 古橋 文武, 大塚 幸雄, 秋間 道夫
    1978 年 75 巻 1 号 p. 71-79
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    The patient was aged 71 yrs., female. Tumors respectively of the oral mucosa, lung and stomach in this case were discovered almost simultaneously. The triple tumors were all histologically malignant, while differing from each other in their morphological characteristics. According to statistics based on"Annual of the Pathological Autopsy Cases in Japan", cases of multiple primary malignant tumors in 4 years (1970-1973) amounted to 1, 207 (1.34% of the whole autopsy ases). Of these multiple malignant tumors, double malignant tumors were seen in 1, 157 cases (1.29%), and triple malignant tumors in 49 cases (including our case) (0.05%). Distribution of the sites of the triple malignant tumors shows that the digestive organ was the site of all the 3 tumors in 8.16%, that of 2 tumors in 38.78%, and that of only I tumor in 36.73%. The organs in which triple tumors evelop are also the sites of frequent development of a single tumor.
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