日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
実験的急性CCl4肝障害発生後経静脈的に投与された糖質の肝障害に及ぼす影響
植田 昌敏武田 和久三宅 周小林 道男渡辺 誠青江 肇野崎 肇遠藤 浩
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1978 年 75 巻 2 号 p. 166-173

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抄録
急性CCl4肝障害ウサギにCCl4投与後24時間目に5%グルコース, 10%マルトース, および生理食塩水をそれぞれ静脈内に投与した3群のウサギにつき, CCl4投与前, 投与後24時間, および48時間のそれぞれの血清の各種肝機能検査と48時間目の肝内諸酵素活性および中性脂肪, 蛋白, グリコーゲン量の測定を行ない, 肝の組織学的所見と併せ検討した. その結果, 肝障害惹起後の糖質投与ではCCl4投与48時間後の肝障害の程度を指標とした場合, 上記3群の間に本質的な差異はみられなかつた. また, 経静脈的に投与したマルトースは腸組織で一部グルコースに変換されて門脈から肝に入り, 肝組織でも僅かのグルコースを生成して代謝されることが明らかとなつた. 以上の結果から, 血管内に投与されたマルトースが既存の肝障害を増悪させる可能性の少ないことが結論された.
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