日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
正常ヒト血清蛋白とICGの結合について
小林 教雄
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1978 年 75 巻 3 号 p. 306-314

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抄録

血清蛋白と Indocyanine green (ICG) の結合をゲル濾過法, 電気泳動法, 超遠心法により検討した. ICGと結合する血清蛋白はα-lipoprotein (α-Lp), β-lipoprotein (β-Lp), albumin (Alb), α2-globulin (α2Gl) で, ICGが低濃度 (10-5M) である場合にはβ-Lpと結合し, 濃度を増加するにしたがつて, α-Lp, Alb とα2Glの順に結合した. ICG濃度と蛋白の結合には一定の比例関係がみられた. 血清蛋白にはICGと high affinty, low capacity で結合する群と low affinity, high capacity で結合する群があり, 2つの binding site が存在した. Sulfobromophthalein (BSP) とは high affinity, low capacity で結合する binding site だけであつた.

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