日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
75 巻 , 3 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 藤本 荘太郎, 木本 邦彦, 川井 啓市, 服部 隆則, 山下 滋夫
    1978 年 75 巻 3 号 p. 257-264
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    酵素抗体法を用いたガストリン細胞の形態的同定法について, 免疫学的操作へ至るまでの組織材料の処理法を分析し, さらに, 蛍光抗体法と対比させ酵素抗体法の有用性を検討した.
    酵素抗体法は, 通常の光顕にて観察でき, 後染色することにより背景の腺管構造は明瞭となり, また自家蛍光細胞を除外しうるため, 蛍光抗体法よりもガストリン細胞の同定には適していると考えられた. 組織材料の処理法も通常のホルマリン固定, パラフィン包埋の方法で充分ガストリン細胞の特異染色像が得られ, 1年以前にH-E染色し封入された切片を再生し酵素抗体法染色しても, 特異染色像は充分保たれていた. これらは, 臨床の場での組織材料の処理に適した簡便な方法と考えられる.
  • 加藤 寛幸, 松本 俊彦, 西田 良夫, 宮崎 逸夫
    1978 年 75 巻 3 号 p. 265-271
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    今回, 十二指腸潰瘍の予後を推察する目的で, 昭和49年7月より昭和51年12月迄に, 当科外来で保存的治療を行つた十二指腸潰瘍患者22例の経過を, 主に胃酸分泌の面から検討し, 以下の結果を得た. 1) B.A.O., M.A.O. (ガストリン法) が高値を示す程, その治癒は遷延し, 特にB.A.O.で7mEq/h以上を呈した5例はすべて治癒に8週以上を要した. 2) M.A.O. (インシュリン法) で低値を示す症例は4週以内に治癒するが, 高値を示す症例では治癒期間に一定の傾向を認めなかつた. 3) 再発は3例 (14%) に認めた. 3例の初診時における胃酸分泌は, 1例は高値であつたが, 2例は逆にB.A.O.において低値を示し, 両者間に特に一定の相関を認めなかつた.
  • 日比 紀文
    1978 年 75 巻 3 号 p. 272-283
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    血清免疫グロブリン異常を呈する腸疾患の腸粘膜内免疫グロブリン含有細胞を追及し, 血清免疫グロブリン値と対比検討した. 蛋白漏出性胃腸症では7例中4例に小腸IgA含有細胞低下がみられた. また同様の lymphangiectasia を来たす Behcet 病ではその低下がなく, 小腸 lymphangiectasia 生成と免疫グロブリン含有細胞との間に特別な関係は見い出せなかつた. 潰瘍性大腸炎13例では, 大腸粘膜免疫グロブリン含有細胞に一定の傾向はなかつた. また, 胸腺を欠くnude mice を用い, ヒト胸腺移植後のIgA含有細胞の出現を追求した. すなわち nude mice ではIgA含有細胞が殆どないが, 胸腺移植によりその回復がみられたことは, 局所免疫への胸腺の関与を示唆する.
  • 三芳 端, 大原 毅, 森岡 幹登
    1978 年 75 巻 3 号 p. 284-293
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    1,2-dimethylhydrazine (DMH) 誘発大腸癌作成ラットの40匹を, DMH投与開始後120日で試験開腹, 220日で屠殺剖検し, 癌の増殖, 進展を観察すると共に, 全症例の全大腸を半連続切片として組織学的検索を行なつた. DMH投与による組織学的変化を, 1) 異型腺管, 2) 腺腫, 3) noninvasive cancer, 4) invasive cancer に分類し検討した. その結果, 本大腸癌の組織発生は de novo 癌を主体とし (86%), 腺腫の癌化はむしろ稀 (14%) であつた. 本大腸癌は大腸左半部に比較的多く発生し, 多発傾向を示し, 高頻度に腹膜播種, リンパ節転移を認めた.
  • 鹿野 真勝
    1978 年 75 巻 3 号 p. 294-305
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    腸管吸収機能障害を招く原因は多岐に亘るが, 糖質吸収に関与する酵素系の部分的欠損を除けば, 殆んどが脂肪吸収障害を主徴とする. これら脂肪吸収不良症例にみられる血漿リポ蛋白の脂質の異常は, 低比重リポ蛋白中の cholesterol の減少を特徴とし, triglycerides はむしろ増加の傾向を示した. 脂酸相対比の上では, linol 酸が著明に減少し, 相対的に糖質から肝で生成される脂酸の比率が増す. この構成脂酸の変化も低比重リポ蛋白の cholesterolesters に最も強く, 次いで lecithin にみられ, 高比重リポ蛋白の cholesterolesters や lecithin にも程度の差はあつても同じ変化が得られた. これらの変化を反映して, 全血漿の cholesterol 濃度と linol 酸の相対比は有意に低下している.
  • 小林 教雄
    1978 年 75 巻 3 号 p. 306-314
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    血清蛋白と Indocyanine green (ICG) の結合をゲル濾過法, 電気泳動法, 超遠心法により検討した. ICGと結合する血清蛋白はα-lipoprotein (α-Lp), β-lipoprotein (β-Lp), albumin (Alb), α2-globulin (α2Gl) で, ICGが低濃度 (10-5M) である場合にはβ-Lpと結合し, 濃度を増加するにしたがつて, α-Lp, Alb とα2Glの順に結合した. ICG濃度と蛋白の結合には一定の比例関係がみられた. 血清蛋白にはICGと high affinty, low capacity で結合する群と low affinity, high capacity で結合する群があり, 2つの binding site が存在した. Sulfobromophthalein (BSP) とは high affinity, low capacity で結合する binding site だけであつた.
  • 鎌田 悌輔, 小林 絢三, 畑山 充
    1978 年 75 巻 3 号 p. 315-323
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    当教室で剖検しえた36例の慢性肝疾患の消化管粘膜について, 肉眼的ならびに組織学的検索を行ない次の結果を得た. (1) 剖検36例中出血死14例 (39%), 死因とはならなかつた消化管出血16例 (42%), 計29例 (81%) に消化管出血がみられた. (2) 出血と密接な関係があると思える消化管粘膜の肉眼的所見は食道静脈瘤と全消化管粘膜におけるうつ血, 出血点 (斑) およびびらんであつた. 中でも胃には29例中26例 (90%) に上記所見がみられた. (3) 組織学的には, (イ) 食道では, 著明に拡張して血管壁の不均等性壁硬化を生じた粘膜下静脈と (ロ) 全消化管における粘膜内血管の著明な拡張と増生が特徴的所見であり, 中でも胃において顕著にみられた. 胃は本症における重要な出血源と考えられた.
  • 有島 恒明
    1978 年 75 巻 3 号 p. 324-336
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    ヒト肝細胞癌の血清GOT, GPT活性の変動の要因について検討を加えた. 血清GOTの上昇がGPTの上昇に先行し, 経過とともにGOT/GPT比が大になつた. 血清GOTのミトコンドリア分画は20%以下であつた. 肝組織内活性では癌部のGOT, GPTは非癌部に比して著しい低値を示した. 癌部, 非癌部ともにGPT活性が低く, GOT/GPT比の解離があつた. 癌部のGOT, GPT分布は上清分画の比率が非癌部に比して低かつた.
    3'-Me-DAB肝癌ラットは腫瘍発育とともに血清GOTの上昇があり, GOT/GPT比が大になつた. 肝組織内活性は正常肝に比して癌部, 非癌部ともにGOT, GPTが低値を示し, ことにGPTは著しい低値であつた. GOT/GPT比は癌部が非癌部より大であつた. 癌部では上清分画のGOTの比率が非癌部に比して低率であつた. これらの成績はヒト肝細胞癌の血清GOT/GPT比の値と肝組織内, 癌部, 非癌部双方のGOT, GPTに類似した成績であつた.
  • 山瀬 裕彦
    1978 年 75 巻 3 号 p. 337-349
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    新鮮剖検肝52例および臨床例483例の肝内胆管X線像を検討し, 次の結果を得た. 1) 胆道立体撮影法は肝内胆管の走行を容易に知ることができ, かつ臨床診断に有用な方法である. 2) 肝内胆管の走行には, variation が多く, 右肝内胆管の3次分枝の走行は, 100例中35種を数えた. 左右肝管の合流様式を6型に分類した. 3) 肝内胆管硬化像の程度と胆管壁の肥厚の程度は密接な関係がある. 4) 各種疾患と硬化像は関係があり, 硬化像の程度を判読することは, 臨床診断に寄与すること大である. 5) 胆管拡張様式は, 閉塞の程度, 期間に左右されるが, 胆管壁の肥厚の有無およびその程度も重要な因子となる.
  • 熨斗 秀興, 辻井 正, 福井 博, 松井 勉, 西村 義明, 田村 雅宥
    1978 年 75 巻 3 号 p. 350-358
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    胆石形成過程におけるコレステロールおよび胆汁酸代謝に及ぼす chenodeoxycholic acid (CDCA) 投与の影響を検討した. リスザルを胆石形成食 (砂糖•バター•コレステロール) で飼育した場合, 肝 HMG-CoA reductase 活性は低下したが, 外来性コレステロールの増加により, 肝, 胆汁中コレステロールは増加した. また, 7α-hydroxylase 活性の低下により胆汁中胆汁酸は減少し, その結果, lithogenic bile が産生された. CDCA投与によつて, 肝HMG-CoA reductase 活性はさらに抑制され, 肝の遊離コレステロールおよび胆汁中コレステロールは減少した. 一方, 7α-hydroxylase 活性も抑制されたが, 胆汁中胆汁酸濃度はむしろ増加し, 胆汁の lithogenicity は改善された.
  • 大槻 眞, 坂本 長逸, 前田 光雄, 岡野 邦泰, 尤 芳才, 山崎 富生, 馬場 茂明
    1978 年 75 巻 3 号 p. 359-365
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    1-phenyl-1-hydroxy-n-pentane (PHP) をラット十二指腸内へ注入し, 血中セクレチン濃度, 膵液, 膵アミラーゼ分泌量を同時に測定した. さらにPHPの作用に対するソマトスタチン (GIF) の影響もあわせて検討した.
    PHP 200mg/kg/min の注入により血中セクレチン濃度は, 5分後には前値の4~5倍にまで増大したが, PHP 50mg/kg/h 注入では血中セクレチン濃度は変動しなかつた. しかし両注入量に対する膵外分泌反応には差がなかつた.
    PHP 200mg/kg/min に対するセクレチン反応はGIFで完全に抑制されたが, 膵外分泌反応は認められた. 以上より PHP のセクレチン分泌作用は比較的弱く, セクレチン以外の膵外分泌刺激因子 (例えばCCK•PZ) に対し, 強い分泌刺激作用を示した.
  • 井上 修一, 増田 久之, 荒川 弘道, 小泉 金次郎, 久保 信之, 向島 偕, 山川 博
    1978 年 75 巻 3 号 p. 366-373
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    A case of Adenomyoma of the gallbladder (fundal type) with gastric polyps is reported. Case, 61 year-old female was admitted to Akita University Hospital because of precise examination of gastric polyp, which was detected in the mass survey of the stomach. Gastric polyps were located on the anterior wall of the antrum. Biopsy specimens under direct vision showed the hyperplastic polyp. Cholecystography demonstrated a minute filling defect on the fundus of the gallbladder. A nodular lesion without central ulceration on the fundus of the gallbladder and Gastric polyps were found in the excised specimen. Histologically, irregular tubular formation of mucosa and hyperplasia of muscular fibers were observed.
    There were many terminologies and classifications for non-inflammatory lesions of the gallbladder. But, adenomyoma of the gallbladder is a comparative rare lesion and previously reported literatures are reviewed.
  • 中沼 安二, 新谷 寿久, 太田 五六, 熊谷 幹夫
    1978 年 75 巻 3 号 p. 374-380
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    肝内門脈枝の異常を認めた原発性胆汁性肝硬変の1例 (64歳, 女性) を報告した. 初発症状 (黄疸と皮膚掻痒感) 発症後6カ月で, 食道と胃噴門部に軽度の静脈瘤を認め, 初発症状発症後2年半で門脈圧亢進に由来する大量の消化管出血のため死亡した. 外科的生検肝 (初期) と剖検肝 (中期) の肝内門脈枝には, 内腔の狭小化, 膠原線維•弾力線維の増加それに平滑筋の増生による門脈壁の肥厚が認められた. そしてこれらの肝内門脈病変が, 本例に出現した門脈圧亢進と何等かの関連性を有するものと考えられた.
  • 中島 道也, 中山 宗春, 斉藤 宏, 佐々木 広吉, 野村 文夫
    1978 年 75 巻 3 号 p. 381-385
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    Multiseptate gallbladder is an extremely rare congenital anomaly, the number of reported cases not having exceeded ten throughout the world. This is the account of a 37 year old man with this condition who had had a long history of occasional nausea, vomit and abdominal pain. Intravenous cholecystography demonstrated a gallbladder with an irregularly outline, and tomography disclosed thin septa inside. The surgically removed gallbladder looked like a honeycomb on the cut surface. The bile was whitish in the fundus and dark brown in the neck, suggesting disturbed bladder function. Histologically, muscular layers in the partitions were continuous from the gallbladdeer wall. He has been free of the past complaints after surgery which were attributable to dyskinesia of the gallbladder.
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