日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
Ursodeoxycholic acid 長期投与による胆石症の治療
胆汁中胆汁酸組成の変化を中心として
谷川 久一前山 豊明安倍 弘彦案納 弘子奥村 恂中馬 康男小路 敏彦中川 昌壮中村 裕一飯野 治彦山崎 晴一朗久次 武晴
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キーワード: 胆石症
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1978 年 75 巻 8 号 p. 1196-1203

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抄録

コレステロール系胆石症33例に ursodeoxycholic acid (UDCA) 450mg/日を1~18カ月投与し, 胆のう胆汁中の胆汁酸, コレステロール, レシチンの濃度測定ならびに胆汁中胆汁酸の組成分析を行つた. UDCA投与前の胆汁中胆汁酸, レシチン/コレステロール比は4.88であつたが, UDCA投与後は6.60に上昇した. 胆汁中胆汁酸の構成はUDCA投与前のコール酸/ケノデオキシコール酸 (C/CDC) 比が1.07であつたのに対し,UDCA投与後は0.79に低下した. UDCA投与による lithocholate の有意の増加はなかつた. UDCAの投与により胆汁中の胆汁酸, レシチン/コレステロール比に変化を生じ, lithogenicity が改善されたものと思われる.

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