日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
75 巻 , 8 号
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  • 角本 芳隆, 矢花 剛
    1978 年 75 巻 8 号 p. 1147-1159
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    ラットの発育•生長に伴う上部消化管粘膜内 immunoreactive gastrin (IRG) およびG細胞分布ならびに血清 gastrin (G) を調べ, 以下の成績を得た.
    (1) 血清G値は生後1週目で測定可能濃度に達し, 生後2週目で一過性に増加した. (2) 幽門前庭部IRGおよびG細胞数は哺乳ならびに離乳•摂食開始期で著明に増加した. (3) 十二指腸•空腸IRGも生後2週目で一過性に増加した. (4) 幽門前庭部IRGは終始 little G (LG) であるが, 十二指腸•空腸では胎生期でLGが主体で, 発育•成長に伴い big G (BG) が増加してその主体を占めた. G代謝に関連して幽門前庭部ならびに十二指腸•空腸に分布するGの存在意義を明らかにし, 食餌摂取がG産生•放出面で重要な役割を演ずるものと推論して若干の考察を行つた.
  • 角本 芳隆, 矢花 剛
    1978 年 75 巻 8 号 p. 1160-1165
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    ラットを用いて, 食餌飼育条件に伴う血清 gastrin (G) および幽門前庭部粘膜内の immunoreactive gastrin (IRG) の変動を調べて以下の成績を得た.
    (1) 低蛋白飼料投与群では幽門前庭部粘膜IRGは減少するが, 血清G値への影響は少なかつた.
    (2) 一定期間にわたる絶食による血清Gおよび幽門前庭部粘膜IRG値への影響は, 両者の減少をもたらした.
    (3) 摂食を自由にしたままの血清Gおよび幽門前庭部粘膜IRG値は, 検査前24時間絶食群に比較して両者共明らかに高値を示した.
    以上より食餌摂取ならびに食餌内蛋白含有量が, G産生•貯蔵•放出面で極めて重要な役割を演ずるものと推測し, 考察を加えた.
  • 伊藤 漸, 高柳 隆一, 中村 卓次
    1978 年 75 巻 8 号 p. 1166-1171
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    抗コリン作働性薬物の代表として atropine 及び scopolamine は今日広く臨床で用いられる鎮痛, 鎮痙剤であるが, これら天然アルカロイドは臓器選択性に乏しいためこれまでに種々工夫がなされて来た. その主なものは三級アミン構造の四級化であり, scopolamine butylbromide として広く用いられている. しかし四級化することによつて, 腸管からの吸収率低下はこれら薬剤の経口投与上に問題を残して来た. 更に, 鎮痙剤の好ましくない点として腸管内容物の輸送遅延があり, 克服出来ない副作用として残つている. 本研究ではイソインドリン骨格をもつ三級アミンである etomidoline の作用をわれわれが独自に開発しに force transducerの慢性植込みによるイヌの消化管運動長期連続記録 system を用いて検討した. その結果, etomidoline は0.3mg/kg-30min の静脈内投与で96.3±0.05分間にわたり胃の食後の収縮運動を抑制し, pentagastrin (0,1μg/kg-hr) 刺激による胃運動も78.5±4.44分間抑制した. ところが etomidoline 6~9mgの経口投与を行つてみると胃腸管収縮運動の収縮力は低下したにもかかわらず, はじめて空腹期収縮があらわれる迄の時間-即ちdigestive time は無処置 control 群に比し夫々0.9及び2.2時間と有意に短縮した. そのメカニズムは不詳であるが, 少くとも消化, 吸収時間を延長させないということはこれまでの鎮痛, 鎮痙剤には認められなかつた新しい作用として注目に値する.
  • 米井 二郎
    1978 年 75 巻 8 号 p. 1172-1181
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    胆汁中に排泄される直接型 bilirubin の大部分は ester 型 bilirubin で, この ester 型 bilirubin 分画中bilirubin glucuronide 以外に数種の直接型 bilirubin がある. その1つ bilirubin phosphate の肝よりの排泄を黄疸尿より粗 bilirubin を抽出後 column chromatography 法で bilirubin phosphate を分画分離し, これを heterozygous Gunn rat と Wistar 系 rat の尾静脈に負荷して胆汁中にいかなる形で, どの程度排泄されるかについて検討した. 負荷後8時間までに前者59.2±11.4%, 後者70.1±14.8%で両群間に有意差なく, 又負荷前後の bilirubin phosphate 分画の検討からそのままの形で排泄されることを確認した. bilirubin glucuronideの排泄率と比較しても有意差はなく, いずれも負荷後2時間内の排泄率が最高値を示した.
  • 森実 敏夫, 渡辺 哲, 土本 寛二, 宗像 良雄, 織田 正也, 土屋 雅春, 大塚 秋二郎
    1978 年 75 巻 8 号 p. 1182-1189
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    慢性肝炎, 肝硬変症, 肝細胞癌患者において末梢血リンパ球の細胞障害性を microcytotoxicity assayにより検索した. HeLa 細胞に対する細胞障害性は慢性肝炎, 肝硬変症で有意に低下していたが肝細胞癌患者では健常者と有意差を示さなかつた. Hepatoma cell line (LiC-1 大塚) に対する細胞障害性は肝硬変症, 肝細胞癌で低下の傾向があつたが有意ではなかつた. いずれの標的細胞に対しても non T cell 分画が細胞障害性を示した. 肝癌細胞を破壊するリンパ球は走査電顕で細胞表面に多数の microvilli を有していた. 以上より spontaneous lymphocyte mediated cytotoxicity を主としてとらえていると考えられた. 肝細胞癌患者末梢血T cell 分画は hepatoma cell line に対し細胞障害性を示さず, cytotoxic T lymphocyte は誘導されていない可能性が示唆された.
  • 中沼 安二, 太田 五六
    1978 年 75 巻 8 号 p. 1190-1195
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    多数の各種肝疾患を対象として, 肝細胞内に出現する顆粒状オルセイン陽性物質と肝組織内銅量との関連性を検討した. 乳児正常肝, Wilson 病, また慢性胆汁うつ滞性肝疾患である原発性胆汁性肝硬変, 先天性胆道閉鎖症, および慢性肝内胆汁うつ滞を伴つた肝サルコイドーシスで, 高率に顆粒状オルセイン陽性物質の出現がみられ, また同時に肝組織内銅量の増加が認められた. また, 顆粒状オルセイン陽性物質の出現がみられる多くの症例では, その部に一致して銅の沈着がみられた. これらの事実より, 各種肝疾患の多くの症例では, 肝組織内に過剰に沈着する銅は, 顆粒状オルセイン陽性物質 (おそらく metallothionein) の形として存在するであろうと思われた.
  • 谷川 久一, 前山 豊明, 安倍 弘彦, 案納 弘子, 奥村 恂, 中馬 康男, 小路 敏彦, 中川 昌壮, 中村 裕一, 飯野 治彦, 山 ...
    1978 年 75 巻 8 号 p. 1196-1203
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    コレステロール系胆石症33例に ursodeoxycholic acid (UDCA) 450mg/日を1~18カ月投与し, 胆のう胆汁中の胆汁酸, コレステロール, レシチンの濃度測定ならびに胆汁中胆汁酸の組成分析を行つた. UDCA投与前の胆汁中胆汁酸, レシチン/コレステロール比は4.88であつたが, UDCA投与後は6.60に上昇した. 胆汁中胆汁酸の構成はUDCA投与前のコール酸/ケノデオキシコール酸 (C/CDC) 比が1.07であつたのに対し,UDCA投与後は0.79に低下した. UDCA投与による lithocholate の有意の増加はなかつた. UDCAの投与により胆汁中の胆汁酸, レシチン/コレステロール比に変化を生じ, lithogenicity が改善されたものと思われる.
  • 内藤 靖夫
    1978 年 75 巻 8 号 p. 1204-1218
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    膵部総胆管X線像の成り立ちを解明するため, 摘出標本100例を用いて, X線像と組織学的所見を対比検討した. 1) 胆管と膵臓の解剖学的位置関係は種々多様である. 2) 胆管像は主として胆管壁, 胆管周囲の結合織増生および癌の増殖により強く影響を受ける. 3) 膵病変による胆管狭窄は, 単なる圧排のみでなく胆管壁および内腔への組織学的変化を伴ない, 病変の拡がりと胆管と膵臓の位置関係によつて, 限局性または管状狭窄を生じ, 初期には胆管左側の変化が強い. 4) 胆管癌が壁外に浸潤する時には膵臓の関与が弱い背側または十二指腸側への浸潤が著明で, 胆管右側の変化が強い. 5) 狭窄上部の胆管像は, 二次的胆管拡張のため修飾されるので, 種々の組織学的変化が素直に反映されない.
  • 山田 憲一
    1978 年 75 巻 8 号 p. 1219-1232
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    胆石形成過程において胆のう粘膜がいかなる変化と役割を果すかを明らかにする目的で, ハムスターによる胆石形成実験を行い, 経時的に胆のう粘膜を組織化学的および走査電子顕微鏡的に観察し, 結石の形成過程と対比, 検討した. 結石の形成は結晶の析出に始まり, 結晶の成長あるいは結合により果されると考えられた. 胆のうの組織化学的観察では, 結晶の析出に先立つて粘膜細胞上縁にPAS, alcian blue 陽性の粘液物質が認められ, 結晶の析出から結石形成の過程において陽性所見の発現は著しく増加した. この組織化学的変化に対応して走査電子顕微鏡による観察では, 細胞間の離開, 大小不同性, microvilli の肥大あるいは癒合に始まり, 細胞の剥離, 粘液の凝集を経て硝子様無構造にいたる一連の細胞の変性所見が認められ, その表面構造は著しく粗造になつた. 粘液分泌とこれらの表面構造の変化から, 胆のう粘膜は結晶の析出, 結合, 成長の場として働く可能性が示唆された.
  • 三木 亮, 上野 高次, 大藤 正雄, 大野 孝則
    1978 年 75 巻 8 号 p. 1233-1247
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    摘出胆のう胆石174例を, その割面の肉眼的構造から放射状構造, 層状構造, 無構造の3群に大別した.これら胆石の肉眼的構造と化学的組成, 胆石X線像の間には密接な関連が認められた. 以上の成績から, 胆石X線像より胆石の性状判定が可能であることを明らかにした.
    胆石X線像の判定には腹臥位, 背臥位, 立位の全ての撮影体位が必要であつた. とくに, 微細不透過胆石の診断には立位圧迫撮影を欠くことができない.
    摘出胆石中のコレステロール胆石63例と, chenodeoxycholic acid (CDCA) 投与により胆石消失をみた29例の胆石X線像から, 胆石溶解療法の適応を検討した. その結果, 浮遊胆石例, 非浮遊胆石のうち, 円~楕円形, 小•中型胆石例および大型•少数胆石例を溶解療法の適応とした.
  • 高島 茂樹, 喜多 一郎, 水上 哲秀, 中川 長雄, 三輪 晃一, 木南 義男, 宮崎 逸夫, 吉光 外宏
    1978 年 75 巻 8 号 p. 1248-1259
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    私共は40~44歳までの男性3例, 女性1例の計4例の成人輪状膵を経験した. 内3例は不完全輪状膵,1例が完全輪状膵で, いずれも十二指腸下行脚に存在し, 乳頭は3例が輪状膵肛門側に位置していた. 症状は全例とも十二指腸潰瘍, 胆石症等の合併症によつて修飾される傾向を示したが, 3例に上腹部痛, 悪心嘔吐など20年余に亘る反復性の経過を認めた. 本症の診断は3例に可能で, 低緊張性十二指腸造影による十二指腸下行脚外側からの切れ込み様あるいは楔状の辺縁平滑な限局性狭窄像が最も重要である. 治療は胃切除術 (B-II), 輪状膵離断切除術, 十二指腸拡張術, あるいは手術操作を加えなかつたものなど症例に応じ対処した.
  • 若林 明, 斉藤 振二, 佐伯 正彦, 竹田 喜信, 橋平 成章, 大柴 三郎, 米満 賛, 西上 英昭, 赤木 弘昭
    1978 年 75 巻 8 号 p. 1260-1267
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    対照59例, 慢性膵炎38例, 膵腫瘍10例, 膵嚢胞2例, 計109例の膵CT像を検討した.
    正常膵は椎体横径に対する膵の最大前後径比(P/V)が膵頭部0.60±0.10, 膵体部0.55±0.08, 膵尾部0.54±0.09 (mean±SD) で, density の均一な桿状臓器として認められる. 膵腫大 (P/V>0.80) を確認出来る腫瘍の大きさは径2.5cm以上と推定される. P/V正常の膵癌では膵形態の不均衡, density の不均一, また膵頭部腫瘍では胆汁うつ滞像 (胆嚢腫大, 肝内胆管拡張像) が重要な所見となる. 良性膵嚢胞は悪性のそれと異り,嚢胞内面が平滑, 内部 density は均一である. 慢性膵炎では膵石症の診断にCTは有用で, 膵内の結石の確認が出来, また結石の形態, 分布状態が腹部単純X線像より鮮明に観察出来た.
  • 吉森 正喜, 中村 耕三, 尾崎 秀雄
    1978 年 75 巻 8 号 p. 1268-1277
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    膵悪性腫瘍80例の症状, 病悩期間, 検査成績について検討した. 初発症状には腹部の漠然とした症状が多かつた. 病悩期間の平均は, 膵頭部癌6.8カ月, 膵体尾部癌5.2カ月, 全体癌3カ月であつた. 主訴では腹痛が最も多く, 次いで食欲不振 腹部不快感などであつた. 入院時の症状では体重減少が最も高頻度にみられた. 経過中, 血中総ビリルビン値, アルカリフォスファターゼ値, 血糖値に異常を示すものが多かつた. 検査施行例の異常所見陽性率は, 胆道造影63.6%, パンクレオザイミン-セクレチン試験71.5%, 腹部血管撮影81.3%, 膵シンチグラム95.0%, 経皮的胆道造影100%であつた
  • 藤井 信一郎
    1978 年 75 巻 8 号 p. 1278-1289
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    大腸菌O: 14の加熱死菌を Freund's incomplete adjuvant (以下FIA) と混じ, イヌ膵内に分注することにより"Adjuvant 膵炎"類似の慢性膵傷害を作製できた. 大腸菌単独投与群では, 膵組織はほぼ正常に復するが, FIAと大腸菌を等量に混ぜ合わせ投与した群では, 菌体数を増量させることにより, 慢性膵傷害の程度•発生頻度を増加させることができる. 後者においては, 分注7週後にも蛍光抗体法により, 組織内に細菌抗原の存在を証明できる. 経過をおい観察すると流血中に抗膵抗体を証明でき, その抗原部分は膵 microsome分画と考えられる. 細菌成分の直接作用による炎症の発生, および膵内での長期にわたる存在が慢性膵傷害を成立せしめたと考える.
  • 福本 陽平, 武波 俊彦, 沖田 極, 児玉 隆浩, 野田 健一, 岡崎 幸紀, 中村 克衛, 竹本 忠良, 奥田 信一郎, 麻生 哲郎
    1978 年 75 巻 8 号 p. 1290-1294
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 前川 信政, 上原 元, 本多 幸博, 西野 逸男, 京井 優典, 川上 究, 井上 徹, 山本 誠, 上野 敏男, 三林 裕, 竹田 亮祐
    1978 年 75 巻 8 号 p. 1295-1298
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
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