摘出胆のう胆石174例を, その割面の肉眼的構造から放射状構造, 層状構造, 無構造の3群に大別した.これら胆石の肉眼的構造と化学的組成, 胆石X線像の間には密接な関連が認められた. 以上の成績から, 胆石X線像より胆石の性状判定が可能であることを明らかにした.
胆石X線像の判定には腹臥位, 背臥位, 立位の全ての撮影体位が必要であつた. とくに, 微細不透過胆石の診断には立位圧迫撮影を欠くことができない.
摘出胆石中のコレステロール胆石63例と, chenodeoxycholic acid (CDCA) 投与により胆石消失をみた29例の胆石X線像から, 胆石溶解療法の適応を検討した. その結果, 浮遊胆石例, 非浮遊胆石のうち, 円~楕円形, 小•中型胆石例および大型•少数胆石例を溶解療法の適応とした.
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