日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
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血清コリンエステラーゼアイソザイム
特にその臨床的意義
柴田 久雄山田 伸夫石井 公道岡部 治弥
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1979 年 76 巻 2 号 p. 196-204

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抄録

コリンエステラーゼアイソザイムは従来各バンドの相互交換性が問題とされ,臨床的報告は殆んどない.しかしポリアクリルアミドゲル,特にgradient gel slab電気泳動を用いることにより安定した成績をうることが出来た.これを各種消化器疾患血清について行つた所,正常血清が鋭い1,2,3のバンドを示すのに反し,肝硬変症ではこれらの融合による二峰化及び鈍化,癌では1の鈍化,バンドの縮少が見られ,脂肪肝では正常バンドが強調される形を示した.肝硬変症に見られるピークの鈍化は加熱血清の変化と類似する.
これらの点より,コリンエステラーゼアイソザイム測定は総活性の変化を更にくわしく分析出来る.

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