日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
76 巻 , 2 号
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  • 相沢 敏晴, 本田 利男, 高梨 一雄, 中川 滋木, 小林 茂三郎
    1979 年 76 巻 2 号 p. 157-167
    発行日: 1979/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    走査電顕による小腸粘膜の観察については粘液除去のための方法論が未だ確立されておらず,その微細構造を明瞭に観察し得た報告例は極めて僅かである.先に,我々は界面活性剤Pluronic F68を使用し,小腸粘膜におよぼす影響を報告したが,さらに方法論上の改良を加え,より明瞭な表面微細構造の観察を試みた.さらに米沢の分類よりBRIJ 35,Tween 80を選択し,その影響を観察した.小腸粘膜への障害の程度はBRIJ35が最も強く,Tween 80は極めて軽度であつたがDetergent effectはPluronic F68が最もすぐれていた.その障害作用の弱い点からも腸管の粘液除去を目的とする場合にはPluronic F68が適当であり,これによつて従来得られなかつた鮮明なる表面微細構造を観察することに成功した.
  • 三崎 文夫, 佐々木 善二, 川井 啓市
    1979 年 76 巻 2 号 p. 168-174
    発行日: 1979/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    新しい合成止汚剤であるloperamide hydrochlorideの健常人での便秘催起用量の推定をup-and-down法で行い,さらに服薬による自覚症状,臨床検査値への影響を観察した.また,一部の被験者ではloperamideの血中濃度を測定し,臨床薬物動態学からの検討を試みた.
    その結果,loperamideの50%便秘用量は2群のボランティアにつき各々3.2mg/日,6.96mg/日であつた.自覚症状としては便秘を起した被験者に腹部膨満感,腹鳴,腹痛が高頻度,高度にみられた.腹部症状以外では睡気が2例にみられた.血中loperamideの定常状態での濃度は2mg/日投与で0.5ng/ml,4mg/日で1.5ng/ml,8mg/日で2.7ng/mlで理論的にも満足すべきものであつた.
  • 荒川 洋一, 郷治 広達, 矢田 和秋, 各務 伸一
    1979 年 76 巻 2 号 p. 175-183
    発行日: 1979/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    肝炎における抗肝細胞膜抗体(anti-LSP)の出現とその臨床的意義を解明すべく,ラジオイムノアッセイ(RIA)法を用いて,種々の肝疾患々者の血清中のanti-LSPの検出を試みた.正常ラット肝より抽出した肝細胞膜抗原(LSP)に125Iを標識して行なつたassayは特異的で再現性も良好であつた.anti-LSPの陽性率とその濃度は,HBs抗原の有無とは無関係であり,慢性活動性肝炎に最も顕著であつた.また,経過の良好な急性肝炎では,20例中7例においてanti-LSPが急性期,一過性に陽性であるにすぎなかつたが,慢性肝炎へ移行した症例では10例中6例に慢性化を確認した時点で,anti-LSPが陽性であつた.
    これらの成績はLSPに対する自己免疫反応がウイルス性肝炎の急性期に惹起され,その持続が慢性肝炎の発症に密接に関連していることを示している.
  • 高木 敏
    1979 年 76 巻 2 号 p. 184-195
    発行日: 1979/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    アルコール中毒者における免疫異常の状態を,肝障害との関連において,多角的に検討した.アルコール中毒者の免疫グロブリン値は,とくに血清IgAの上昇が著明であるが,肝硬変になるとIgA, IgM, IgGいずれも上昇してきた.細胞性免疫能はPPD反応,DNCB反応,Tcellの数,PHAに対する幼若化現象いずれも高率に低下がみられた.特にDNCB反応では肝障害のないアルコール中毒者でも高率に異常がみられた.エタノールと肝特異抗原の存在下でLMITを行うと50%に陽性がみられ,アルコール性肝障害では一部エタノールに対する細胞性免疫異常が成立し,それによつて肝障害が進展することが示唆された.アルコール性肝障害のHBウイルスの関与については,HBs抗原,抗体陽性率が健康人のそれと差異がなかつたことから積極的に支持できなかつた.
  • 柴田 久雄, 山田 伸夫, 石井 公道, 岡部 治弥
    1979 年 76 巻 2 号 p. 196-204
    発行日: 1979/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    コリンエステラーゼアイソザイムは従来各バンドの相互交換性が問題とされ,臨床的報告は殆んどない.しかしポリアクリルアミドゲル,特にgradient gel slab電気泳動を用いることにより安定した成績をうることが出来た.これを各種消化器疾患血清について行つた所,正常血清が鋭い1,2,3のバンドを示すのに反し,肝硬変症ではこれらの融合による二峰化及び鈍化,癌では1の鈍化,バンドの縮少が見られ,脂肪肝では正常バンドが強調される形を示した.肝硬変症に見られるピークの鈍化は加熱血清の変化と類似する.
    これらの点より,コリンエステラーゼアイソザイム測定は総活性の変化を更にくわしく分析出来る.
  • 菱谷 好高, 原田 英治, 清水 修, 筧 紘一, 茂在 敏司, 大林 明, 加納 正
    1979 年 76 巻 2 号 p. 205-211
    発行日: 1979/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    慢性肝疾患140例についてクリオグロブリン(Cg)を中心に検討した.Cgは慢性肝炎18%,肝硬変症40%,原発性肝癌40%にみとめられ,HBs抗原および性差とは関係がみられなかつた.Cgの型分類では,単クローン性混合型は,IgM monoclonal κ type+IgG 23例,IgM monoclonal κ type+lgA+IgG 2例で,M蛋白は全例IgM κ typeであつた.多クローン性混合型は,IgM+IgG 2例,IgM+IgA+IgG 8例であつた.Cg陽性例のリウマチ因子(RF)は全例陽性で,またCg自身にもRFが証明され,CgとRFは密接な関係にあつた.血清CH50(<30)の例は,Cg陽性慢性肝炎21%(Cg陰性例6%),肝硬変症60%(同46%)で,Cgの抗補体作用が想定された.血清CH50(<5)の例が6例あり,全例血清と血漿の補体価解離現象を呈し,そのうち5例はCg陽性であつた.Cg陽性慢性肝疾患は,高RF価,抗補体作用,臨床症状(出血斑,関節痛,蛋白尿など)よりimmune complex diseaseの側面がうかがわれた.
  • 菊地 晃, 鬼原 彰
    1979 年 76 巻 2 号 p. 212-222
    発行日: 1979/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    肝疾患を糖代謝異常の有無別に分け,これにブドウ糖およびアルギニン負荷を施してその膵内分泌機能の変化を検討した結果,以下の成績を得た.
    (1) GTT時の血中IRIは正常型,境界型および糖尿病型のいずれもが対照群よりも高反応を示したが,その初期分泌は糖尿病型が最も低値を示した.IRGはいずれの型もが対照群に比較して有意の上昇を示し,糖尿病型で最も高値を示した.I/Gモル比は正常型では対照群とほぼ同様の結果を示したが,境界型および糖尿病型ではこれと異なる変動を示した.
    (2) Arg負荷時の血中IRIはいずれの型も対照群に比較して有意の高反応を示したが,正常型が最も高く,次で境界型,糖尿病型の順に低下した.IRGは逆に正常型,境界型,糖尿病型の順に次第に高反応を示し,いずれも対照群に比較して有意の上昇を示した.I/Gモル比はいずれの型も対照群とは異なる変化を示し,正常型,境界型,糖尿病型の順に低下した.
    以上より,肝疾患における糖代謝異常の発現にはインスリンとグルカゴンの相互関係の異常が重要な役割を果していることが推測された.
  • 北村 収, 日高 硬, 芦原 司, 竹岡 成, 香川 恵造, 奥田 健治, 高橋 示人, 瀧野 辰郎
    1979 年 76 巻 2 号 p. 223-230
    発行日: 1979/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    Feulgen-DNA顕微蛍光測光法を応用し,ヒトおよびラットの肝細胞プロイディが加齢に伴つて,どのように変化するかを詳細に解析し,両者における変化を比較検索した.その結果,ヒトでは50歳頃までは肝細胞の約90%が1核•2n細胞であるが,その後加齢とともに,1核•2n細胞の比率は次第に減少し,2核•2nや1核•4nなどのポリプロイド細胞が増加した.また,100歳頃には1核•2n細胞の比率は半数近くまで減少した.一方,ラットの場合は,3週齢の肝では1核•2n細胞が約80%を占めるが,5週齢ではこの細胞は急速に減少して35%となり,2核•2n細胞が増加した.しかし,6月齢では2核•2n細胞は再び減少し,肝細胞の半数以上が1核•4n細胞で占められ,12月齢以後では1核•4n細胞が約70%を占めた.以上,ヒト,ラットともに加齢に伴つて肝細胞のポリプロイド化は進行するが,その進行の速度や程度には著しい差を認めた.
  • 古賀 俊逸, 山本 匡介, 井林 博
    1979 年 76 巻 2 号 p. 231-238
    発行日: 1979/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    血漿:LP-X定量の臨床的意義を検討する目的で44例のLP-X陽性患老血清のLP-X濃度を測定した.肝外胆道閉塞では肝内胆汁うつ滞に比してLP-X濃度は高値であり,検討した症例中400mg/dl以上の高濃度を示したものは全例肝外胆道閉塞症であつた.肝外胆道閉塞時のLP-X濃度はコレステロール濃度およびALP活性といづれも良好な相関性を示したが,肝内胆汁うつ滞ではALP活性とは良く相関したがコレステロール濃度との相関度は低値であつた.LP-X陽性症例でビリルビン2.0mg/d1以下のもの5例,コレステロール150mg/dl以下のもの6例およびALP 100mU/ml以下のもの1例を認めた.さらに,黄疸の鑑別診断法としてのLP-X定量の臨床的有用性につき述べた.
  • 岩崎 正高, 丸山 泉, 池尻 直幹, 阿部 正秀, 前山 豊明, 長田 英輔, 安倍 弘彦, 谷川 久一
    1979 年 76 巻 2 号 p. 239-248
    発行日: 1979/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    各種肝疾患とエンドトキシン血症との関連を調べるために,急性および慢性肝炎,劇症肝炎,肝硬変症,原発性肝癌,および,胆石症などの閉塞性黄疸など,計68例について,血中のエンドトキシンをLimulusLysate Testを用いて検索し,又,肝硬変症と原発性肝癌での腹水中のエンドトキシンも同時に測定した.エンドトキシン血症は,劇症肝炎,原発性肝癌,肝硬変症の順に頻度が多く見られ,腹水中では,80%にエンドトキシン陽性であつた.肝硬変症では,食道静脈瘤と腹水を有する例にエンドトキシン陽性例が多く,原発性肝癌では,食道静脈瘤,腹水,脾腫が認められたいずれの場合でも,血中エンドトキシン陽性率が高い傾向にあつた.又,肝硬変症,原発性肝癌例等に,Lactuloseを経口的に長期投与する事により,エンドトキシン血症が改善する傾向が認められた.
  • 米井 二郎
    1979 年 76 巻 2 号 p. 249-258
    発行日: 1979/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    結晶bilirubinよりbilirubin IIIα, IXα, XIIIαを分離し,化学的にbilirubin (IIIα, IXα, XIIIα) sulfateを合成した.これら各異性体の分光化学的性状とGunn rat (heterozygote)またはWistar系ratの尾静脈に負荷した際の胆汁への排泄状態を検討した.3種のbilirubin sulfateとそれらのazo色素,及び酸性azo色素の吸光極大には差があつた.またbilirubin sulfate異性体は薄層chromatography (T.L.C)上Rf値を異にした.Gunn rat, Wistar系rat共にXIIIα, IIIα, IXαの順に胆汁中への排泄が低い傾向にあつたが,いずれの群でも三者間に有意の差はなかつた.負荷後の胆汁より抽出したbilirubinを分光化学的に,またT.L.Cで検討した結果,負荷されたbilirubin sulfate異性体はそのままの形で胆汁中へ排泄されることを確認した.
  • 木村 寿成, 若杉 英之, 船越 顕博, 松本 雅裕, 井林 博
    1979 年 76 巻 2 号 p. 259-265
    発行日: 1979/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    現行のN-benzoyl-L-tyrosyl-P-aminobenzoic acid(BT-PABA)による経口的膵外分泌機能検査(PFD試験)の診断率向上を目的として,同時にPABAの経口投与により吸収排泄率を求めるPABA試験を施行し,両者の差,即ち(PABA-PFD)値から膵外分泌能を簡便に判定しうる方法を考案し,その有用性について検討を加えた.PS試験を基準としてPFD試験および本併用法よる膵外分泌能を比較検討すると,PFD値では最高重炭酸塩濃度とのみ有意の相関を認めたが,(PABA-PFD)値を求める本法では最高重炭酸塩濃度およびアミラーゼ排出量の両者に相関性を認めた.また現行のPFD試験では慢性膵炎非石灰化群と他疾患群との鑑別診断が困難であるが,我々の上記併用法では両者の鑑別が可能となり,更にPFD試験でfalse positiveの腎障害及びその他の症例でも正常値を示し,本併用法によりPFD試験と比較し膵外分泌能障害における診断率向上の成績をえた.
  • 小野 悦子, 長 廻紘, 三輪 洋子, 佐々木 宏晃, 小幡 裕, 竹内 正, 浜野 恭一, 臼木 祥江, 小暮 美津子
    1979 年 76 巻 2 号 p. 266-270
    発行日: 1979/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 網岡 逸男, 有馬 暉勝, 綱島 武彦, 松本 緑郎, 北 昭一, 長島 秀夫, 谷川 高, 今井 正信
    1979 年 76 巻 2 号 p. 271-278
    発行日: 1979/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    74歳男性のmacroamylasemiaを報告する.本症例では,尿amylase値は正常であつたが,血清amylase値は持続的に軽度の高値を示し,amylase-creatinine clearance比は0.81%と低下していた.血清のamylase isozymeでは,原点より陽極側に幅広いbandを有する特異なPatternが認められた.Sephadex G-200ゲル濾過では7S付近に第1のpeakを認め,更に7Sから正常のamylase分画にかけて帯状の幅広いamylase活性が認められた.Bio-Gel A-0.5mゲル濾過では,解離した正常amylaseの溶出patternが得られ,pH3.4におけるSephadex G-200ゲル濾過で解離したamylase分画と蛋白分画を混和すると,macroamylaseが再生された.また解離した患者の蛋白分画と正常人膵amylase及び唾液amylaseとの混和によつてもmacro-amylaseが再生された.酵素免疫電気泳動法及び免疫沈降反応法では,免疫globulin, albumin, α1-antitrypsinとの結合を示唆する結果は得られなかつた.本例のmacroamylaseは,Triton X-100処理では解離せず,5MUrea処理により完全に解離し,またBio-Gel A-0.5mゲル濾過のみによつても解離することから,きわめて弱い水素結合によるものと考えられた.
  • 古賀 明俊, 田畑 正久, 城戸 英希, 藤堂 省, 永光 慎吾, 仲村 吉弘, 青野 一哉
    1979 年 76 巻 2 号 p. 279-284
    発行日: 1979/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
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