無固定,無染色の新鮮凍結超薄切片によるラット膵腺房細胞を中心としてエネルギー分散型X線微小分析器にて元素分析を行なつた.ラット膵の新鮮凍結超薄切片の電子顕微鏡燥は従来のエポン包埋超薄切片に比べ鮮明ではないが比較的よく構造が保たれており,核,リボソームの付着した小胞体,穎粒を有したミトコンドリア,分泌穎粒など観察でぎた.また,これらの小器官のX線微小分析の結果,核ではP,K,Cl,小胞体ではP, K,ミトコンドリア穎粒ではP, Ca, K, Sに,また成熟分泌穎粒ではS, K, P, Clにピークを示したが未熟分泌穎粒ではSのピークが低かつた.腺房腔内分泌物ではS, K, P, Si, Clにピークを示した.