日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
ヒト胃癌のヌードマウスへの移植
2.移植胃癌の発育態度と予後について
中谷 勝紀小西 陽一宮城 信行高橋 精一小島 清秀白鳥 常男
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1980 年 77 巻 2 号 p. 173-178

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抄録

胃癌組織の生着率は60例中31例(51%)であつた.Stageは生着率に影響を与えなかつたが,Borrmann分類では4型,組織型ではporの生着率が悪かつた.生着腫瘍の発育速度を急速発育型,遅速発育型,非発育型に分けるとStage分類ではIII,IVに,Borrmann分類では3型に急速発育型が多かつた.発育速度と予後との関係をみると,急速発育型の予後は不良であつた.以上よりヌードマウス皮下腫瘍はヒト胃癌の性質をよく反映し,予後判定に有用であると考えた.

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