P. S. S.患者3症例の大腸複数部位の同時内圧を測定し,大腸運動機能変化を検討した.波形からみると,いずれのP. S. S.の症例も,安静時には正常者に比較して,波高,頻度ともに少なかつた.parameterとしてmotility indexを用いて検討すると,P. S. S.の各症例とも,安静時では,正常者に比較して,S状結腸,横行結腸,上行結腸のいずれの部位でもmotility index は低かつた.neostigmin負荷後のmotility indexはS状結腸を除き低い傾向を示した.次にneostigmin負荷前後のmotility indexの上昇の程度はP. S. S.の病歴の長さあるいは重症度と相関し,Battleらの報告と同様であつた.
なお注腸X線検査で異常を認めない2症例においても,内圧測定により運動機能に異常を認めP. S. S.の大腸病変の重症度の判定に内圧測定が有効であると考える.