1982 年 79 巻 11 号 p. 2137-2144
慢性膵炎の超音波断層像(US)を検索し,USをPS試験とERPの結果と対比することにより,その診断能に検討を加えた.慢性膵炎では膵のsizeの変化を認める例が多かつたが,萎縮,腫大と種々であつた.また,膵のmargin, parenchyma ,ductに変化が現われることが多く,特にparenchymaのreflectivityの増加(spotty echo), ductの不整拡張像は,慢性膵炎の特徴的な所見であつた.cyst, calcificationの描出は他の臓器の場合と同様に膵においても良好であつた.これらのUS所見はPS試験およびERP所見とよく一致しており,USが慢性膵炎の診断に有用であり,スクリーニングテストとして利用が可能であることが確認された.