日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
ラットにおける胃粘膜高分子糖タンパク質の分布と絶食負荷による変動
筧 正雄岡部 治弥小原 進石原 和彦堀田 恭子
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1982 年 79 巻 2 号 p. 181-186

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抄録

胃組織内の粘液(ムチン型)糖タンパク質の生理的意義を検討することを目的として,ラット胃の部位による高分子糖タンパク質(HGP)の量的・質的相違および絶食負荷過程における本物質の変動について検討した.(1)HGPは腺胃部分に局在した.(2)その構成糖はガラクトサミン,グルコサミン,ガラクトース,フコース,シアル酸であり,モル比は胃体部で1:3.7:3.2:1.0:0.14,前庭部で1:1.4:1.5:0.7:0.04であつた.(3)絶食負荷過程でHGPは経時的に漸増し,72時間群では0時間群の約190%となつた.(4)ガラクトサミン,グルコサミン,ガラクトース,フコース,シアル酸の組成は0時間で1:2.6:2.5:1.1:0.11,72時間で1:3.0:3.0:1.1:0.09であつた.

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