日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
79 巻 , 2 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 筧 正雄, 岡部 治弥, 小原 進, 石原 和彦, 堀田 恭子
    1982 年 79 巻 2 号 p. 181-186
    発行日: 1982/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    胃組織内の粘液(ムチン型)糖タンパク質の生理的意義を検討することを目的として,ラット胃の部位による高分子糖タンパク質(HGP)の量的・質的相違および絶食負荷過程における本物質の変動について検討した.(1)HGPは腺胃部分に局在した.(2)その構成糖はガラクトサミン,グルコサミン,ガラクトース,フコース,シアル酸であり,モル比は胃体部で1:3.7:3.2:1.0:0.14,前庭部で1:1.4:1.5:0.7:0.04であつた.(3)絶食負荷過程でHGPは経時的に漸増し,72時間群では0時間群の約190%となつた.(4)ガラクトサミン,グルコサミン,ガラクトース,フコース,シアル酸の組成は0時間で1:2.6:2.5:1.1:0.11,72時間で1:3.0:3.0:1.1:0.09であつた.
  • 川野 淳, 佐藤 信紘, 福田 益樹, 七里 元亮, 鎌田 武信, 阿部 裕
    1982 年 79 巻 2 号 p. 187-192
    発行日: 1982/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    臓器反射スペクトル解析法を用いて喫煙による胃粘膜血液量の変化を若年健常者8例において検討した.その結果,常習喫煙者及び非常習喫煙者ともに喫煙により胃粘膜血液量は低下した.そしてその低下の度合いは喫煙前に比し,前者では約22%,後者では約63%であつた.又喫煙後の回復は常習喫煙者の方が早く,非常習喫煙者では3服喫煙後5分経過しても元に復していなかつた.以上のことより,喫煙により胃粘膜血流の低下を来たし,防御因子の減弱を来たすと考えられた.しかし,常習喫煙者では適応がみられ,今後更に詳細な検討が必要である.
  • 川本 勝, 福島 恒男, 久保 章, 石黒 直樹, 竹村 浩, 土屋 周二
    1982 年 79 巻 2 号 p. 193-198
    発行日: 1982/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    潰瘍性大腸炎症例31例の便中細菌および短鎖脂肪酸を検索した.本症例の便中総細菌数は健常人とくらべ減少していた.なかでも嫌気性菌数が減少し,好気性菌数の増加がみられた.短鎖脂肪酸濃度は健常人にくらべ減少し,便中細菌数と比例した.短鎖脂肪酸分画において揮発性短鎖脂肪酸濃度が低く非揮発性の乳酸濃度が高かつた.病変部位が拡がる程また緩解期より活動期で揮発性短鎖脂肪酸濃度は減少し,乳酸濃度は増加した.乳酸濃度に対する揮発性短鎖脂肪酸濃度比と排便回数との間に負の相関がみられた.便中細菌および短鎖脂肪酸が潰瘍性大腸炎の病態と深い関係があることが示唆された.
  • 野田 健一, 安藤 啓次郎, 沼 義則, 坪田 若子, 小田 正隆, 江崎 隆朗, 沖田 極, 竹本 忠良
    1982 年 79 巻 2 号 p. 199-204
    発行日: 1982/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    薬物代謝酵素エポキサイド・ハイドラーゼ(EH)のラット肝癌の発癌過程における形質発現への関与を明らかにする目的で,2-acetylaminofluorene投与による過形成結節および肝癌組織をもちいて免疫組織学的検索をおこなつた.過形成結節および肝癌では,小胞体分画におけるEH酵素量の増加と可溶性分画への出現がみられ,蛍光抗体直接法によるEHの組織内における局在の検索では,EHは過形成結節内の肝細胞および肝癌細胞内に増加するのが認められた.これらより,EHが肝癌の発癌過程,とくにpromotionの解明にとつて有用な酵素であることが示唆された.
  • 三浦 総一郎, 朝倉 均, 小林 研介, 宗像 良雄, 吉岡 政洋, 森下 鉄夫, 土屋 雅春
    1982 年 79 巻 2 号 p. 205-213
    発行日: 1982/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    肝硬変症患者および四塩化炭素(CCl4)投与による実験的肝硬変ラットについて小腸での脂質吸収転送異常について検討した.肝硬変症患者では空腹時血漿脂酸構成の異常,オリーブ油負荷試験・131 I-triolein試験による外因性脂質の転送不良および内視鏡下に脂質の粘膜内貯留像がとらえられた.その障害は腹水が貯留するような腸リンパ系障害が加わることより高率に出現した.CCl4投与ラットにおける長鎖脂肪酸吸収実験の成績と考え合わせると,肝硬変症では腸粘膜内における中性脂肪再合成過程およびアポリポ蛋白合成を含むリポ蛋白合成過程はとくに障害を受けておらず,その後のリンパ管への転送が障害されるために,脂質の転送が遅れ粘膜内に貯留すると考えられる.
  • 若林 時夫, 沢武 紀雄, 中源 雅俊, 尾崎 監治, 登谷 大修, 高橋 洋一, 西邨 啓吾, 加登 康洋, 小林 健一, 服部 信, 橋 ...
    1982 年 79 巻 2 号 p. 214-222
    発行日: 1982/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    血清GPDA活性測定の肝胆道疾患における診断的有用性を,既存の肝胆道系酵素との比較も加え検討した.血清GPDAは各種肝胆道疾患のいずれにおいても明らかに有意の上昇を示し,急性肝障害(急性肝炎,急性アルコール性肝炎)と肝内胆汁うつ滞性疾患(PBC,胆汁うつ滞型薬剤性肝障害)で高い異常出現率を示した.特に後者で高度の上昇を示す例が比較的多かつた.異常検出率からみるとGPDAは,γ-GTP, GOT, GPTよりは劣つていたが, ALPとは勝るとも劣らず,LDHよりは優れていた.既存の酵素の中では,γ-GTPとの相関性が最も高かつた.以上より,本酵素は肝胆道疾患に対する有力な酵素診断法の1つになりうると思われた.
  • 吉次 通泰, 前原 操, 菅谷 仁, 原田 尚
    1982 年 79 巻 2 号 p. 223-230
    発行日: 1982/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    肥満度+15%以上の肥満者28例(男性15例,女性13例)につき,血液生化学検査成績・耐糖能と肝の組織像との関係を検討した.
    肝組織像の主な異常は,脂肪化(小葉1/3視野以上:67.8%),肝細胞核内空胞化(46.4%)および線維化(14.3%)であつた.肝脂肪量と血液生化学検査(GOT, GPT, GOT/GPT比,LAP,γ-GTP,ChE)の各項目の異常率との間には有意の相関があり,肥満者の生化学検査の異常は肝脂肪化によるものと考えられた.小葉1/3~2/3視野の脂肪化では,GPT活性は66.7%で異常を呈し, GOT/GPT比は88.9%で逆転し(<1.0),脂肪化の鋭敏な指標と思われた.高脂血症・耐糖能異常の肝脂肪化に及ぼす影響は促進的なものと考えられた.
  • 高橋 弘, 藤田 由美子, 出浦 正倫, 清水 能一, 相沢 良夫, 銭谷 幹男, 秋庭 真理子, 飛鳥田 一朗, 亀田 治男
    1982 年 79 巻 2 号 p. 231-240
    発行日: 1982/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    肝疾患におけるB cell機能を知る目的で,末梢血リンパ球の免疫グロブリン(Ig)産生細胞をprotein A法により検討した.本法では,PWM等のmitogenの刺激なしにspontaneous Ig産生細胞の検出が可能であつた.急性肝炎では,急性期にIgGおよびIgM産生細胞数は一過性に増加し,回復期に正常化した.慢性肝炎では,組織学的に活動性の症例は非活動性に比してIg産生細胞数が優位であつた.特に,自己抗体陽性の非B型慢性活動性肝炎ではIgG・IgA産生細胞の著明な増加がみられた.これに対して,B型慢性肝炎では,Ig産生細胞は低値を示した.肝疾患において,Ig産生細胞の検討はB cellpopulationの算定とは異なりB cellの機能的指標として有意であつた.
  • 岩崎 正高, 神代 龍吉, 和田 達郎, 前山 豊明, 長田 英輔, 川口 元也, 安倍 弘彦, 谷川 久一
    1982 年 79 巻 2 号 p. 241-248
    発行日: 1982/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    Polymyxin BがEndotoxinに及ぼす作用を調べるため,in vitroでPolymyxin BとEndotoxin溶液を混和してLimulus Testを行い,更に,Polymyxin Bを300万単位/日3日間重症肝障害例22例に経口投与した.in vitroでは,Polymyxin Bは0.1~0.01mg/mlの濃度でEndotoxin1×10-5~1×10-7mg/mlの濃度の場合のPregelの凝固を阻害した.polymyxin B経口投与例では,投与前Endotoxin血症を示す肝硬変4例,原発性肝癌5例のそれぞれ各4例にEndotoxin血症が改善した.対照として用いたKanamycinにはPregelの凝固阻害作用はなく,肝硬変3例への経口投与例でもEndotoxin血症の改善は見られなかつた.Polymyxin BによるEndotoxin血症の改善にはその殺菌的な作用と界面活性効果による抗Endotoxin効果の2つが同時に関与していると推測された.
  • 山下 佐知子
    1982 年 79 巻 2 号 p. 249-258
    発行日: 1982/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    Heparin-Ca法によるHDL-Ch値の測定を215例の肝疾患患者について行なた.正常人97名の平均値は61.89±10.74mg/dlであり,肝疾患ではHDL-Ch値は低値を示し,正常人との間に有意差(p<0.001)が認められた.HDL-Chはアルカリフォスファターゼ,コリンエステラーゼ,アルブミン,LCAT活性値,赤血球最大浸透圧低抗とよく相関した.このように,HDL-Ch の測定は,肝疾患の重症度を診断するのに有用であると考えられる.さらに,肝・胆道疾患患者において,超遠心法による血清リポ蛋白の各分画についてアガロース・ゲルによる電気泳動像の検討および電顕的観察を行ない,肝・胆道疾患時にはαリポ蛋白バソドの欠如と,HDLの著明な減少が認められることを証明した.
  • 木南 義男, 小西 孝司, 喜多 一郎, 高田 道明, 新村 康二, 宮崎 逸夫, 中沼 安二, 田中 良則
    1982 年 79 巻 2 号 p. 259-265
    発行日: 1982/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    過去10年間に北陸地域で治療された膵石膵癌合併5例の臨床的病理学的所見を検索し,また,本邦報告の15例についても臨床的検討を行つた.著者らの膵石症における膵癌合併頻度は13.5%であつた.4例には腫瘍による主膵管閉塞をみず,また,癌組織と膵管上皮との間にはCEA,PAS,Alcian blue染色所見の著差を認めなかつた.一方,本邦報告例を含む全例においては,長期の病悩期間を有する例や膵機能障害例の多いことが注目され,特に膵石と腫瘍の位置的関係や両者診断の時間的関係から可成りの症例において膵石症が膵癌発生に先行していることが推察された.
  • 木本 英三, 内藤 靖夫, 中沢 三郎
    1982 年 79 巻 2 号 p. 266-275
    発行日: 1982/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    膵超音波像の意義を明らかにするため,切除標本44例で超音波像と病理所見を対比した.正常膵は一層の被膜エコーをもち,内部には強度差の少ない点状エコーが均一に配列していた.慢性膵炎では高度結合織増生はエコーレベル軽度低下を示した.脂肪化膵はび漫性エコーレベル上昇を示した.膵嚢胞では壁,内腔の変化がよく捉えられた.膵癌はI.低エコー型II.中心エコー型III.不整高エコー型にわけられ,乳頭管状腺癌はIIないしIII型で,管状腺癌はI型が多かつた.結合織豊富な硬性型はI型,中間型,髄様型はII III型が多かつた.ルーペ像上で全体に密,辺縁部密で中心粗,全体に粗に分けると,各I II III型にほぼ対応した.中心凝固壊死のあるものはII型を示し,液化壊死は腫瘍内嚢胞像を示した.
  • 岩木 研次郎, 小川 道雄, 北原 健志, 田中 重則, 神前 五郎
    1982 年 79 巻 2 号 p. 276-281
    発行日: 1982/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    ヒト膵液よりtrypsinを分離精製し,外因性trypsinの血中存在様式およびradioimmunoassay(RIA)系による内因性trypsinの血中存在様式を検討した.外因性trypsinは正常血清ではα2-macro-globulin (α2M)に多く結合し,trypsinの量が増加するとともに,過剰のtrypsinはα1-antitrypsin(αlAT)に結合した.一方急性膵炎血清では少量の外因性trypsinでも α1AT とより多く結合した.これはすでにα2M と結合したproteaseが存在するためと考えられた.またtrypsinのinhibitorとの結合は血中のprotease inhibitorの量および量比にも影響された.内因性trypsinは急性膵炎血清ではα1AT,inter-α-antitrypsinとも結合して存在したが,α2M のfractionからは検出できなかつた.
  • 小野寺 博義, 菅原 啓, 平田 徹, 太田 恵, 及川 正道, 依田 敏行, 渡部 信之
    1982 年 79 巻 2 号 p. 282-286
    発行日: 1982/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    CTスキャンと血管造影を行なつた51例について脾の計測を行なつた.血管造影では静脈相での脾濃染像の面積(splenic stain),脾動脈幅/総肝動脈幅(SpA/CHA)を求め,CTスキャンでは脾のもつとも大きく切れている断面で脾断面積/体幹断面積(CT-spleen index)を求めた.肝硬変・ヘパトーマ,膵腫瘍では脾腫がみられ,3つの計測値の間には正の相関があつた.CT-spleen indexでは0.10以上を脾腫と判定するのがよいと考えた.また,上記の計測値と脾重量との間には正の相関があり,X線フィルムより脾重量をおおよそ推定できると思われた.
  • 野登 隆, 徳田 裕, 三富 利夫, 井上 博雄, 内田 博子, 辻 公美
    1982 年 79 巻 2 号 p. 287
    発行日: 1982/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 鉄典, 近江 直仁, 荒谷 英二, 西里 卓二, 文屋 学, 伊藤 信行, 村上 俊吾, 石谷 邦彦, 漆崎 一朗
    1982 年 79 巻 2 号 p. 288
    発行日: 1982/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 稲熊 秀樹, 片桐 健二, 早川 富博, 星野 信, 横地 真, 藤野 信男, 塚田 勝比古, 宮治 真, 伊藤 誠, 武内 俊彦, 奥山 ...
    1982 年 79 巻 2 号 p. 289
    発行日: 1982/02/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
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