日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
ラット反転小腸のブドウ糖吸収に関する研究
経時的観察法の開発
土屋 正彦井上 修二平林 良樹高邑 裕太郎
著者情報
ジャーナル フリー

1983 年 80 巻 5 号 p. 1138-1143

詳細
抄録

従来の反転小腸によるブドウ糖吸収の研究法は1個の反転小腸については1時点の吸収を知りうるに過ぎなかつたが, 著者らはラット反転小腸の上端を開放しメディウム容器に小孔を設置することにより反転小腸の漿膜側と粘膜側の両側から経時的に検体を採取し, ブドウ糖吸収を連続的に観察しうる方法を開発した. 本法により, 8週齢のSD雌ラットの反転小腸のブドウ糖吸収は上部小腸と中部小腸で共に著明でかつその吸収はほぼ等しく, 漿膜側ブドウ糖濃度は84分まで上昇しその後はほぼ一定の値を示すこと, 及び下部小腸のブドウ糖吸収は上部, 中部小腸に比較し非常に弱く, 漿膜側ブドウ糖濃度の上昇は全時点で僅かか又は殆どないことが認められた.

著者関連情報
© 財団法人 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top