日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
臨床放射線学的, 肝内門脈の脈管構築の検討とその有用性について
経皮経肝的門脈造影法を用いた肝内門脈の分岐次数及び亜区域枝の新しい命名
高安 賢一森山 紀之村松 幸男志真 泰夫石川 勉後藤 裕夫牛尾 恭輔松江 寛人笹川 道三山田 達哉
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1984 年 81 巻 1 号 p. 56-65

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抄録

各種肝•膵疾患27例を対象に, 経皮経肝的門脈造影法を用いて鮮明な肝内門脈枝の正面•側面像を撮り, 生体肝における門脈の立体構築を検討し従来の鋳型標本に基づいた脈管走行図譜との相違を明らかにした. さらに肝細胞癌の画像診断, 手術術式, 予後と密接な関係を有する肝内門脈について臨床に立脚した実用性の高い分類と命名を新たに行つた. 即ち, 1) 肝内門脈の分岐次数の命名: 右前区•後区域枝, 左枝臍部および尾状葉枝の大部分を第2次分枝とし, これより中枢門脈枝を第1次, 一方末梢枝を第3次分枝とした. 2) 第3次分枝 (亜区域枝) の命名: 各亜区域枝の出現頻度も加味して, 腹側から背側方向ヘアルファベット順に命名した.

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