日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
血清膵分泌性トリプシンインヒビター値に及ぼす腎機能の影響
岡 徹大槻 眞末広 逸夫大木 篤岡林 克典馬場 茂明
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1984 年 81 巻 10 号 p. 2577-2581

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抄録

腎不全患者の血清膵分泌性トリプシンインヒビター (PSTI) 値, 血清クレアチニン値, 血清尿素窒素 (BUN) 値, および内因性クレアチニンクリアランスを比較し, 腎機能の血清PSTI値に及ぼす影響を検討した. 腎不全患者では血清PSTI値は226.0±27.3ng/mlと正常人9.4±0.5ng/ml (mean±S.E.) の24倍を示した. 特に血液透析患者では非血液透析患者より高値であつた. 血清PSTI値は血清クレアチニン値, BUN値と正相関を, また内因性クレアチニンクリアランスと負相関を示した. 腎機能の低下と逆相関して血清PSTI値は上昇した. 血清PSTI値を臨床的に評価するにあたつては腎機能を考慮する必要がある.

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