日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
胃潰瘍の再発と胃液分泌
胃角部近傍潰瘍における tetragastrin 刺激に対する胃液分泌反応性の検討
谷中 昭典武藤 弘柴田 裕身福富 久之大菅 俊明崎田 隆夫
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1985 年 82 巻 2 号 p. 217-222

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抄録

胃潰瘍再発機序解明の目的で, 胃角部近傍潰瘍の再発群, 非再発群, 正常群に対して, tetragastrin infusion test を施行し, 各群の胃液分泌動態を比較し, 以下の成績を得た. 1. 酸分泌に関して, (1)BAO及び最大刺激分泌は, 3群間で有意差がない. (2)刺激反応性は, 再発群で最も高く, 以下正常群, 非再発群の順である. 2. ペプシン分泌に関して, (1)BPO及びMPOは, 3群間で有意差がない. (2)刺激反応性は, 再発群で最も高く, 以下正常群, 非再発群の順である. 以上より, 胃角部近傍潰瘍の再発機序として, 基礎分泌, 最大刺激分泌の亢進よりも, tetragastrin 刺激に対する酸•ペプシンの分泌反応性の亢進が強く関与しているものと考えられた.

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