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胃角部近傍潰瘍における tetragastrin 刺激に対する胃液分泌反応性の検討
谷中 昭典, 武藤 弘, 柴田 裕身, 福富 久之, 大菅 俊明, 崎田 隆夫
1985 年 82 巻 2 号 p.
217-222
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
胃潰瘍再発機序解明の目的で, 胃角部近傍潰瘍の再発群, 非再発群, 正常群に対して, tetragastrin infusion test を施行し, 各群の胃液分泌動態を比較し, 以下の成績を得た. 1. 酸分泌に関して, (1)BAO及び最大刺激分泌は, 3群間で有意差がない. (2)刺激反応性は, 再発群で最も高く, 以下正常群, 非再発群の順である. 2. ペプシン分泌に関して, (1)BPO及びMPOは, 3群間で有意差がない. (2)刺激反応性は, 再発群で最も高く, 以下正常群, 非再発群の順である. 以上より, 胃角部近傍潰瘍の再発機序として, 基礎分泌, 最大刺激分泌の亢進よりも, tetragastrin 刺激に対する酸•ペプシンの分泌反応性の亢進が強く関与しているものと考えられた.
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星 徹, 北目 文郎, 本間 守男, 石川 誠
1985 年 82 巻 2 号 p.
223-231
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
呼気中メタン排泄者と非排泄者の違いの原因を解明する目的で, 排泄者4例と非排泄者11例の糞便のメタン産生能とメタン産生菌数を比較した. また, 一日本人糞便からメタン産生菌を分離しその性状を標準菌株と比較した.
1) 排泄者4例では全例糞便培養にメタンを産生し, また糞便中にはメタン産生菌が存在した.
2) 非排泄者11例中7例では糞便培養にメタンを産生せず, 糞便からメタン産生菌を検出し得なかつたが, 残り4例は上記いずれも陽性の成績を示した. この事は, 腸管から呼気中へのメタンの排泄機構に原因があつて呼気中にメタンを排泄しない例のある事を示唆する.
3) 分離菌は, 米国人糞便からの分離菌と同じ
Methanobrevibacter 属の一菌種であると考えられた.
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地域疫学的研究とコホート研究
深尾 彰
1985 年 82 巻 2 号 p.
232-238
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
HBウイルスと肝細胞癌 (HCC) との関連性を明らかにするための疫学的研究を行なつた. 1980~1981年の都道府県別HBs抗原陽性者率 (献血者) と1980年の肝癌死亡率, 及び1979~1981年の宮城県市町村別HBs抗原陽性者率と同期間の肝癌死亡率との相関を見た. 相関係数は各々0.388, 0.270でいずれも統計学的に有意だつた. 宮城県の1971~1977年の献血者から, HBs抗原陽性群 (30歳以上男, 1,000人) とコントロール群 (年齢, 現住所の市町村, 献血年月をマッチさせたHBs抗原陰性の10,000人)を設定し地域癌登録と照合した. 1980年末までに陽性群から3人, コントロール群から1人のHCC罹患があり, 相対危険度30.0, 人口寄与危険度割合36.7%と計算された.
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とくに肝障害との関連について
川上 広育, 吉川 正哉, 松浦 寿二郎, 川本 広夫, 渡辺 恭行, 池本 吉博, 末盛 彰一, 梶山 梧朗, 相光 汐美, 竹野 弘
1985 年 82 巻 2 号 p.
239-246
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
HBV-specific DNA polymerase (DNA-P) 活性の測定法について検討すると共にHBs抗原陽性透析患者, Asymptomatic HBsAg carrier 及びB型慢性肝疾患患者にてDNA-P活性値を測定し, HBVの増殖と肝障害の発症との関連について検討した. 著者らの方法でのDNA-P活性の正常値 (陰性) は18±5cpmで30cpm以下を陰性とした. HBe抗原陽性 (MO, RIA法91名中81名 (89%) でDNA-P活性は陽性を示し, HBe抗原 (RIA法) との相関はr=0.329であつた.
DNA-P活性値と肝障害の重症度とは逆相関し, トランスアミナーゼの上昇よりも早期にDNA-P活性は最高値を示し, HBVの増殖と肝障害の時期にズレを認めた.
以上の成績から慢性HBVキャリアーでは肝内でのHBVの増殖や放出と肝障害は直接的な関係はなく, むしろ肝細膜に放出されたHBV及び肝細胞膜の変化に起因する宿主例の免疫反応の重要性が示唆された.
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検出能の限界と診断上の問題点
栗岡 成人, 貫野 徹, 金 鎬俊, 戸田 進, 宋 健二, 仲島 信也, 岡 博子, 朝井 均, 黒木 哲夫, 針原 重義, 山本 祐夫, ...
1985 年 82 巻 2 号 p.
247-254
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
肝細胞癌119例を対象とし, 特に直径3cm以下の小肝細胞癌31例の超音波診断 (以下US) の問題点を検討した. 小肝細胞癌のスクリーニング検査法としてUSは有用であつたが検出不能例も少なくなかつた. 直径2cm以下の小病変ではUSによる質的診断は困難であつた. また echogenic な小肝細胞癌が32%に認められ鑑別診断上注意を要すると思われた. 次に主腫瘍径3cm以下の25例, 64結節につき血管造影と比較検討した結果, 直径1cm以下の小病変の検出は現在のUSの装置では困難と思われた. USの死角となり易い横隔膜円蓋部付近の他に, 肝硬変による肝萎縮, 肝の変形, 肝内エコーの不整化が検出不能の原因であつた.
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宮崎 勝, 藤本 茂, 菅沢 寛健, 遠藤 文夫, 志村 賢範, 高橋 修, 河田 滋, 栗原 正利, 宇田川 郁夫, 越川 尚男, 神野 ...
1985 年 82 巻 2 号 p.
255-260
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
In vivo isolated liver perfusion により5-FU (125, 250mg/kg), Mit-C (1.5, 2.5mg/kg) の灌流および37, 41, 43°Cの温熱療法をラット正常肝に施行した. 血清GOT, GPT は肝灌流1日目に著増するが3日目に著減し, 8日目には回復した.〔
14C〕-Aminopyrine 呼気テスト (ABT) 値への影響を見ると, 同灌流によりABT値は1, 3, 8日後で有意に (p<0.05) 低下しており dose- および temperature-dependent に低下を示した. 68%肝切除前に肝灌流を施行すると, 切除後再生肝のABT値は切除量に一致して低下するが, 薬剤灌流および温熱療法を施行するとより強い低下 (p<0.001) を示した. 肝の温熱療法および制癌剤肝灌流は肝の microsomal functional mass を著しく低下させる.
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photodynamic 治療の基礎的検討
川本 智章, 井戸 健一, 寺田 友彦, 堀口 正彦, 木村 健, 間中 研一
1985 年 82 巻 2 号 p.
261-269
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
株化培養肝癌細胞 (JTC-16) に対する, 各種 porphyrin とレーザーの photodynamic 効果の比較検討を行つた. porphyrin は, hematoporphyrin derivative (HpD), hematoporphyrin, protoporphyrin, coproporphyrin, および uroporphyrin の5種類を使用し, 各々の porphyrin の細胞に及ぼすphotodynamic 効果は, レーザー照射24時間後の細胞の形態学的変化より判定した. photodynamic 効果は protoporphyrin で最も強く, 次いでHpD, hematoporphyrin の順であつたが, coproporphyrin および uroporphyrin の photodynamic 効果は極めて弱かつた. なお, 今回の実験で得られた結果, および培養液の温度上昇を認めなかつたことより, porphyrin とレーザーの photodynamic 効果は光化学反応に由来すると判断された.
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松本 由朗, 藤井 秀樹, 木嶋 泰興, 和田 敏末, 青山 英久, 関川 敬義, 山本 正之, 江口 英雄, 菅原 克彦
1985 年 82 巻 2 号 p.
270-276
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
膵管胆道合流異常の診断基準は「胆管と膵管の合流点が十二指腸壁外にある病態」とみなされつつある. この病態は発生異常として理解されているが, その成り立ちには次の2つの機序が存在することを明らかにした. すなわち, 1) 胎生6~8週頃の胆道, 膵臓の分化の停止の場合と, 2) 胎生4週頃に生じた腹側膵と肝憩室の位置異常のために腹側膵の導管系に胆管が合流する形態である. 自験例のなかから明らかに十二指腸壁外での合流例93例を分析した結果, 胆道閉鎖症の2例に認められた病態が前者であり, 残る91例は後者の病態と考えられ, そのうち26例は胆管末端が腹側膵の二次分枝以下の導管に合流し, 残りは Wirsung 管に直接合流する形態を示した. また91例のうち75例は総胆管拡張症に合併したものであつたが, 16例は全く正常な胆管に認められた.
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ヒトにおける食事負荷, 十二指腸内硫酸マグネシウム注入時の血中 Cholecystokinin の上昇
白鳥 敬子, 渡辺 伸一郎, 竹内 正
1985 年 82 巻 2 号 p.
277-287
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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XAD-2 resin (XAD-2) による血漿抽出処理により, 血漿中の非特異的干渉物質を除去し, 血中gastrin の影響を最少限に抑えた高感度の cholecystokinin (CCK) の radioimmunoassay を可能とした. 標識CCKは natural porcine CCK
33を chloramine T法で作成し, ゲル濾過およびイオン交換クロマトグラフィーの2段階で精製し, specific radioactivity は709mCi/μMであつた. 血漿はXAD-2で抽出し, 血中 gastrin の影響を測定限界 (3.2pM) 以下としえた. 健常人6例の血中CCKは空腹時11.6±0.5(M±SE)pMで, 試験食摂取後は約2倍に上昇した (p<0.01). また, 健常人6例で十二指腸内25%MgSO
440ml注入 (Meltzer-Lyon test) を行い, B-胆汁の排出に伴い, 血中CCKの有意な上昇を確認した.
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松井 敏幸, 飯田 三雄, 南部 匠, 興梠 憲男
1985 年 82 巻 2 号 p.
288-295
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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Zollinger-Ellison 症候群 (ZES) 8例と non-ZES 20例にセクレチン負荷試験 (ST) を施行した. non-ZESではSTに対しガストリン値は85pg/ml以下, 平均7pg/ml上昇し, 3U/kg•体重と6U/kg•体重負荷時でその反応に差は認められなかつた. ZESの3例では3U/kg負荷では200pg/mlをこえるガストリン上昇はなく, 6U/kg負荷によつて初めて200pg/ml以上の高反応が得られた. 2例のZESで静注と点滴投与によるSTの比較を行つたが, 静注法の方が高い反応が得られた. 従つてZES診断のためのSTは6U/kgの一回静注法が望ましいと考えられる. なお3例のZESでST時カルシウム濃度を同時に測定したが, ガストリン値との関連性は認められなかつた.
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過塩素酸処理と合成基質法による実験的研究
中尾 昭公, 篠原 正彦
1985 年 82 巻 2 号 p.
296-300
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
ドンリュウラットと雑種成犬の多血小板血漿にエンドトキシンを添加し, 過塩素酸による血液前処理法を用いた合成基質法でエンドトキシンを測定し, 比較的良好な検量線を作成した. 次に雑種成犬に0.5, 5, 50, 500μg/kgのエンドトキシンを静脈内投与し, 投与後の血中エンドトキシンの変動を測定した. いずれの投与量の場合も投与後5分以内に投与エンドトキシンの99.8~99.9%が血中から除去され, 残りの0.1~0.2%のエンドトキシンが時間の経過とともに低下したが, 500μg/kg投与時には投与後3時間以後は低下傾向がほとんど認められず, 12時間後にも50~500pg/mlのエンドトキシンが血中に検出された.
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小野寺 秀記, 粉川 隆文, 伊谷 賢次, 柴田 糺, 山本 実, 瀬戸 治, 福本 圭志, 近藤 元治, 河 準奎
1985 年 82 巻 2 号 p.
301-305
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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潰瘍性大腸炎におけるEDの治療効果について
遠藤 克博, 佐藤 恒明, 鵜浦 章, 大方 高志, 渡辺 晃
1985 年 82 巻 2 号 p.
306-309
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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岩本 昭三, 重本 憲一郎
1985 年 82 巻 2 号 p.
310-314
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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その危険性と反省
中村 一夫, 小野 二六一, 香月 武人, 和田 徹也
1985 年 82 巻 2 号 p.
315-318
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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中村 裕一, 田村 厚久, 藤本 秀明, 鹿戸 福子, 西浦 政代, 大草 敏史, 中村 理恵子, 久山 泰, 林 正孝, 茅野 照雄
1985 年 82 巻 2 号 p.
319-323
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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辻 博, 岡村 建, 梶原 英二, 村井 宏一郎, 赤木 公博, 尾前 照雄, 古賀 明俊, 居石 克夫, 荒牧 亮二, 田村 正三
1985 年 82 巻 2 号 p.
324-329
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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松本 純, 能登 陞, 菊地 彬夫, 北島 修哉, 貝森 光大, 佐々木 義樓, 大藤 高志, 中村 克宏
1985 年 82 巻 2 号 p.
330-334
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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中村 武史, 森安 史典, 伴 信之, 西田 修, 酒井 正彦, 内野 治人, 三宅 健夫
1985 年 82 巻 2 号 p.
335
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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福田 善弘, 姫野 泰雄, 瀬古 修二, 小東 克次, 中野 博, 井村 裕夫, 平岡 真寛, 阿部 光幸
1985 年 82 巻 2 号 p.
336
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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伊東 進, 辻 泰弘, 北川 直之, 岩崎 明温, 溝渕 美恵子, 岸 清一郎, 森 博愛, 藤井 節郎
1985 年 82 巻 2 号 p.
337
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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岡部 和彦, 渡辺 勇四郎, 清水 昭一
1985 年 82 巻 2 号 p.
338
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー