1985 年 82 巻 8 号 p. 1908-1913
急性肝障害患者42例の超音波胆嚢像を肝機能検査成績, および臨床経過の関連において検討した. 胆嚢の超音波像を Type 1(正常型): 壁の肥厚3mm未満, Type 2: 壁の肥厚3mm以上6mm未満, Type 3: 壁の層状形成, 6mm以上の肥厚, および Type 4: 内腔消失, Debris 形成に分類した. 結果: (1) 急性肝障害症例42例中37例 (88%) に胆嚢の異常所見を認めた. (2) 胆嚢所見と肝機能検査成績, 臨床経過は相関性を示した. ただし, 劇症肝炎例では胆嚢所見と血清トランスアミナーゼ値との間に解離を認めた. (3) 急性肝障害時の超音波胆嚢像は, 病期および予後 (重症度) 判定の一助として有用と考えられた.