超音波内視鏡 (EUS) による胃癌深達度診断について検討した. 切除標本81例の検討で, 病変による変化を認めた最深部の層構造の所見により, 第3層のエコーパターンを3型に, 第4層のエコーパターンを2型に分類した. 隆起型早期癌及び混合型早期癌 (IIa+IIc型) は Type Iがm癌, Type IIIがsm癌と診断可能であり, 陥凹型早期癌は Type Iはm癌が67%, Type IIはsm癌が64%, Type IIIは全例sm癌であつた. 進行癌の Type Bの所見はスキラスな癌の浸潤に特徴的であつた. 臨床例35例の検討でEUSによる深達度診断正診率はX線, 内視鏡検査を上回り, 漿膜外への浸潤はEUSでのみ判定可能であつた.