-
Ranitidine と Sucralfate の同時および時差服用
木村 健, 酒井 秀朗, 吉田 行雄, 笠野 哲夫, 広瀬 完夫
1986 年 83 巻 3 号 p.
603-607
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
同時ならびに時差服用された sucralfate 1.0gの ranitidine 150mg 服用の血中濃度に及ぼす影響を健常成人男子5名で検討した. 食後 ranitidine 単独服用群に比して, 食後2時間の ranitidine と sucralfate 同時服用群では ranitidine の血中濃度は低下し, また血中濃度曲線下面積 (AUC
0→∞) も約22%有意に低下しており, sucralfate による ranitidine の吸収阻害が明らかとなつた. これに対して, 食後ranitidine 服用, ついで2時間後 sucralfate 服用の時差服用群では sucralfate の影響をまつたく認めなかつた. したがつて ranitidine と sucralfate を併用する場合は理論的には両薬の時差服用が望ましいものと考えられる.
抄録全体を表示
-
井上 正規, 門川 康彦, 三重野 寛, 今田 学, 中村 雅之, 石田 敬幸, 河内 正道, 松本 春樹, 〓川 魏, 梶山 梧朗, 横矢 ...
1986 年 83 巻 3 号 p.
608-618
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
純粋にペプシノーゲン分泌を観察するため, ウシガエルの食道下部粘膜を用いて, 基礎的検討を行つた. その結果, 食道粘膜は上部消化管に存在するペプシノーゲンの約86%が存在し, 酸分泌細胞は認めなかつた. ペプシノーゲン含有細胞の2nd messenger としてcAMP及びCa
2+イオンが推定された. 代表的な酸分泌刺激剤であるヒスタミンにはペプシノーゲン分泌刺激作用がなく, ペンタガストリンで中等度, ベサネコールで最も強く, 後2者で用量反応性が観察された. 以上の成績より, 我々が開発した in vitro split chamber は純粋にペプシノーゲン分泌を観察するのに有用な方法であると考えられた.
抄録全体を表示
-
310自験例の検討
須川 暢一, 増山 仁徳
1986 年 83 巻 3 号 p.
619-624
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
1971年11月より1984年12月末までの約13年間に Wayne State University 外科にて, 診断治療された Mallory-Weiss 症候群310例について, その背景因子, 診断, 裂創数, 部位, 内視鏡的合併病変, 治療, 予後, および発生機序について検討した. その結果, 発生頻度, 内視鏡所見は諸家の報告とほぼ一致した. 発生機序については, 胃粘膜の食道への脱出が重要な原因であろうと思われた. また, 本症候群の約90%は輸血を含めた保存的療法で止血するが, 緊急内視鏡施行時, 大量出血を認め肝硬変を合併する者は予後不良であつた.
抄録全体を表示
-
中村 常哉, 中澤 三郎, 芳野 純治
1986 年 83 巻 3 号 p.
625-634
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
超音波内視鏡 (EUS) による胃癌深達度診断について検討した. 切除標本81例の検討で, 病変による変化を認めた最深部の層構造の所見により, 第3層のエコーパターンを3型に, 第4層のエコーパターンを2型に分類した. 隆起型早期癌及び混合型早期癌 (IIa+IIc型) は Type Iがm癌, Type IIIがsm癌と診断可能であり, 陥凹型早期癌は Type Iはm癌が67%, Type IIはsm癌が64%, Type IIIは全例sm癌であつた. 進行癌の Type Bの所見はスキラスな癌の浸潤に特徴的であつた. 臨床例35例の検討でEUSによる深達度診断正診率はX線, 内視鏡検査を上回り, 漿膜外への浸潤はEUSでのみ判定可能であつた.
抄録全体を表示
-
大江 慶治, 三浦 良史, 八木田 真光, 永松 悠二, 田岡 賢雄
1986 年 83 巻 3 号 p.
635-644
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
十二指腸の酸中和能の病因論的意義を解明するため, ラットに, 膵胆管開口部を除外した近位十二指腸ループを作製し, 酸性の生理食塩水で灌流滴定することにより十二指腸粘膜のアルカリ分泌を測定し, cysteamine 並びに secretin の影響について検討した. その結果, ラットの近位十二指腸粘膜は, 流入する酸の量に応じて重炭酸塩を分泌するが, 実験的十二指腸潰瘍を作るに十分た cysteamine の投与はこれを有意に抑制すること, secretin は cysteamine により障害された重炭酸塩分泌を有意に増加させることを見出した. 以上の成績から, 十二指腸粘膜の重炭酸塩分泌の障害が十二指腸潰瘍の成因に関与し, secretin がこれを改善する可能性を示した.
抄録全体を表示
-
佐々木 雅也, 馬場 忠雄, 細田 四郎
1986 年 83 巻 3 号 p.
645-655
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
刷子縁膜アミノペプチダーゼ活性は, 低分子ペプチド成分栄養剤飼育群(以下SP群)では, アミノ酸混合物成分栄養剤飼育群(以下AA群)に比べ, 有意に上昇し, 時間的経過と共に villus-crypt axis に沿つた活性勾配を形成し, アミノペプチダーゼ活性の絨毛内分化が完成された. この活性上昇は, cycloheximide により抑制され, さらに可逆性であつた. これらのことより, 刷子縁膜アミノペプチダーゼは, 腸管内基質としてのオリゴペプチドにより誘導される適応酵素であることが明らかとなつた. またSP群では, AA群に比べ, サイトゾルジペプチダーゼ活性も上昇し, さらに, in vitro 吸収実験においても, ジペプチド, ならびにアミノ酸吸収も亢進していた.
抄録全体を表示
-
堀田 忠弘, 吉田 憲正, 粉川 隆文, 吉川 敏一, 杉野 成, 近藤 元治
1986 年 83 巻 3 号 p.
656-662
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
Lipopolysaccharide (LPS) で家兎を感作した後, 1%ホルマリン20mlを1時間注腸し, 排液後LPS (6mg/20ml) を2時間注腸すると, 約2週間粘膜の炎症性変化が持続した. 更にLPS単独の注腸を繰り返すと長期間炎症所見が持続した. 次に自己大腸菌の加熱死菌で家兎を成作後, 1%ホルマリンを注腸すると, 40日目にも陰窩膿瘍を含む粘膜の炎症所見が見られた. このことは自己大腸菌で感作が成立しておれば, 障害された粘膜を通じて抗原の challange による免疫反応によつて炎症性病変が続くことを意味し, ヒト潰瘍性大腸炎のモデルとして, 又その成立機序を考える上で意義あるものと思われた. 大腸粘膜の局所線溶は病変出現とともに上昇した.
抄録全体を表示
-
稲垣 豊, 田中 延善, 中村 勇一, 野田 八嗣, 鵜浦 雅志, 加登 康洋, 小林 健一, 服部 信, 門脇 真, 矢内原 千鶴子, 矢 ...
1986 年 83 巻 3 号 p.
663-668
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
insulin-like growth factor-I (IGF-I) が急性肝炎の病態にどのように関与しているかを検討するため, 血清IGF-I濃度をRIA法にて測定した. 発症初期における早期空腹時のIGF-I値 (mean±SD fmol/ml)は, 対照群257±67に比して急性肝炎群158±78, 劇症肝炎群69±61と肝障害の重症度に従つて有意に低下した (p<0.005). また肝予備能の指標であるヘパプラスチンテスト値との間に正の相関を認めたことより, IGF-Iが急性肝炎の重症度を反映するとともに肝予備能と密接に関連していることが示された. さらに劇症肝炎生存例では, 回復に従つてIGF-I値の増加傾向がみられたことより, IGF-Iが急性肝炎時の肝再生とも関連性を有する可能性が示唆された.
抄録全体を表示
-
井上 林太郎, 豊永 純, 大久保 和典, 下津浦 康裕, 大曲 和博, 江口 敏, 永田 一良, 佐々木 英, 山名 秀明, 鹿毛 政義, ...
1986 年 83 巻 3 号 p.
669-678
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
67例の食道静脈瘤に対し, 待期•予防的に内視鏡的硬化療法 (EIS) を施行, 静脈瘤完全消失51例のうち34例にEIS前後で portography を行い, EISによる門脈血行動態変化と肝機能への影響及び予後について検討を行つた. EIS後34例中18例に門脈圧低下が認められ, そのうち13例(72%)に副血行路の新生増大を認めた. またEIS後の門脈圧低下及び上昇は肝機能に影響は与えず, 門脈血行動態的にはEISが Walker の食道離断術と同じ状態をひきおこすことが示唆された. また, EIS施行後に死亡した11例の検討でEISの予後を決定する因子として, 肝細胞癌及び門脈塞栓の合併が重要であることが示唆された.
抄録全体を表示
-
伊藤 彰芳, 谷口 弘毅, 春日 正己, 野見山 世司, 高橋 俊雄, 市川 寛, 井上 衛, 森 裕, 丸尾 直幸, 金綱 隆弘, 近藤 ...
1986 年 83 巻 3 号 p.
679-682
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
-
山田 拓司, 山尾 純一, 美濃 良夫, 森田 博, 花田 一宏, 福井 博, 辻井 正, 松森 武
1986 年 83 巻 3 号 p.
683-687
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
-
辻 博, 村井 宏一郎, 佐渡島 純一, 長澤 一成, 梶原 英二, 小林 和夫, 赤木 公博, 藤島 正敏, 住吉 金次郎, 別府 和茂
1986 年 83 巻 3 号 p.
688-692
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
-
千葉 満郎, 五十嵐 潔, 後藤 充男, 荒川 弘道, 正宗 研
1986 年 83 巻 3 号 p.
693-696
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
-
卜部 克彦, 藤田 晃一, 岡部 信郎, 山本 勉, 八尾 恒良, 土居 信吾
1986 年 83 巻 3 号 p.
697
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
-
荻野 景規, 坂井田 功, 岡 紳爾, 門 祐二, 新開 泰司, 名和田 浩, 安永 満, 江崎 隆朗, 安藤 啓次郎, 沖田 極, 竹本 ...
1986 年 83 巻 3 号 p.
698
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
-
LPS-non responder マウスについて
久保井 広志, 筒井 ひろ子, 宮島 慶治, 阪上 吉秀, 関 守一, 溝口 靖紘, 山本 祐夫, 森沢 成司
1986 年 83 巻 3 号 p.
699
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
-
石田 秀明, 八木 澤仁, 荒川 弘道, 正宗 研
1986 年 83 巻 3 号 p.
700
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
-
笠原 洋, 久山 健
1986 年 83 巻 3 号 p.
701
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
-
坂本 芳也, 岡崎 和一, 山本 泰朗, 中澤 慶彦, 森田 雅範, 田村 智, 宮尾 昌宏, 中田 博文, 山本 泰猛, 伊藤 憲一
1986 年 83 巻 3 号 p.
702
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー