日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
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胃 (粘膜/結合織) 肥満細胞の分布と顆粒の超微形態学的特性
山本 達也
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1986 年 83 巻 5 号 p. 951-958

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抄録

ヒト正常胃の肥満細胞 (M.C.) 顆粒の超微形態を検索し, 基本的に構造上 scroll/crystal と particulate/filamentの2つに大別できた. 粘膜筋板から漿膜に存在する connective tissue M.C.は90%がscroll 優位型の非脱顆粒M.C.であつた. 一方, 胃粘膜固有層中の mucosal M.C.は56%が particulate 優位型で比較的顕著な脱顆粒は特に胃内腔に近い領域で認められた. しかし,残り44%は scroll 優位を示した. 以上よの mucosal/connective tissue M.C.の顆粒は heterogeneity に富み形態のみからそれぞれ同定, 両者を鑑別することは難しいと考えられた. また顆粒には scroll から particulate への連続性移行をなす生理的緩徐型脱顆粒と fusion を伴う急速型脱顆粒との共存が示唆された.

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