日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
閉塞性黄疸症例に対する内視鏡的胆道ドレナージ法(EBD) の検討
松田 至晃嶋倉 勝秀山口 孝太郎中村 喜行滋野 俊坂戸 政彦上條 登宮田 和信古田 精市野沢 敬一上野 一也
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1987 年 84 巻 12 号 p. 2714-2721

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抄録

種々の閉塞性黄疸症例311例 (良性疾患66例, 悪性疾患245例) を対象として内視鏡的胆道ドレナージ法 (EBD) の有用性を検討した. 癌の浸潤等の理由からEBD不適応とした19例を除く292例 (93.9%) にEBDを試み, 266例 (85.5%) に成功し, 246例 (79.1%) に有効であつた. EBD後1カ月以内の合併症を45例経験したが, 39例は悪性疾患における胆道感染であり, 特ににERBDを施行した肝門部胆管狭窄症例で胆管炎の頻度が高かつた. 合併症はほとんどが比較的軽度のもので, 合併症による死亡例はなかつた. EBDは比較的安全で, 多くの利点を持つ優れた方法であり, すべての閉塞性黄疸症例に対して第一選択に試みて良い非観血的胆道ドレナージ法と思われる.

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