胆汁うつ滞患者 (IHC) 血清, 各種の遊離型, 抱合型胆汁酸 (BA) の mitogen 刺激健常人リンパ球幼若化反応 (LR) におよぼす影響を検討した. IHC血清はLRを抑制した. 遊離型BAは抱合型BAに比しLRの抑制は高度で, deoxycholic acid, chenodeoxycholic acid, lithocholic acid において顕著であつた. LRの抑制はBA濃度が10μmol/Lよりみられ, 高濃度になるに従い著明となり濃度依存性がみられた. タウリン, グリシン抱合BAで抑制作用に差はみられなかつた. リンパ球の微細構造の変化としては, ミトコンドリアを中心とする細胞内小器官の変化であり, 細胞膜に変化はみられなかつた. BAはリンパ球の細胞内小器官を障害し免疫反応を抑制すると考えられた.