日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
内視鏡超音波による食道静脈瘤の Color Flow Mapping とその意義
鋤柄 稔駒崎 敏郎尾本 良三
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キーワード: 食道静脈瘤, 内視鏡, 超音波
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1987 年 84 巻 7 号 p. 1365-1372

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抄録

血流のカラー表示を特徴とする real-time two-dimensional Doppler echography (2-D Doppler) 用に試作された経食道探触子を用いて, 食道静脈瘤の観察を行なつた. 対象は食道静脈瘤を有した10例と胃静脈瘤を有した1例の合計11例である. 11例中, 静脈瘤のカラー表示は9例において得られた. そのうち8例においては, 食道壁を貫通する静脈瘤や, 食道壁外を走る深部の静脈瘤のカラー表示が得られた. 血流方向は5カ所の静脈瘤において判明したが, いずれも遠肝性であつた. 一方, fast Fourier transformation (FFT) 分析による血流速度の定量的分析が3例においてなされた. 本法は, 食道静脈瘤, 門脈血行動態の分析に有用な一手段になりうるものと思われた.

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