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鋤柄 稔, 駒崎 敏郎, 尾本 良三
1987 年 84 巻 7 号 p.
1365-1372
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
血流のカラー表示を特徴とする real-time two-dimensional Doppler echography (2-D Doppler) 用に試作された経食道探触子を用いて, 食道静脈瘤の観察を行なつた. 対象は食道静脈瘤を有した10例と胃静脈瘤を有した1例の合計11例である. 11例中, 静脈瘤のカラー表示は9例において得られた. そのうち8例においては, 食道壁を貫通する静脈瘤や, 食道壁外を走る深部の静脈瘤のカラー表示が得られた. 血流方向は5カ所の静脈瘤において判明したが, いずれも遠肝性であつた. 一方, fast Fourier transformation (FFT) 分析による血流速度の定量的分析が3例においてなされた. 本法は, 食道静脈瘤, 門脈血行動態の分析に有用な一手段になりうるものと思われた.
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末永 昌宏, 中尾 昭公, 野浪 敏明, 市原 透, 青木 英明, 朝日 憲治, 岸本 若彦, 加藤 俊三, 国場 良和, 鈴木 夏生, 鈴 ...
1987 年 84 巻 7 号 p.
1373-1380
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
食道静脈瘤に対する直達手術後の再出血の機序を解明することを目的とした. 胃上部切除術 (脾剔, 副血行路郭清) TEPG 145例, 胃上部横断術58例, 胃全剔術2例の計205例を対象とした. 再出血は20例で, 術式別再出血率は7.6, 13.8, 50%であつた. 病態別再出血率は肝外門脈閉塞型 (EPO) 38.5%, 肝内門脈閉塞型 (IPO) 2.7%, 肝内肝静脈閉塞型 (IHO) 9%とEPOで高率であつた. 再出血時の所見では, IHOの肝障害の進行, 門脈像での門脈本幹, 脾静脈からの種々の副血行路の新生, 発達, IHOからのEPO化が特徴的であつた. 食道静脈瘤に対する直達手術後一部でみられる再出血は宿命的ではあるが, TEPGは再出血率が低く優れた術式である.
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特に胃粘膜増殖及びDNA合成について
河合 隆, 川井 啓市, 井口 秀人, 東 健, 佐々木 善二, 関 知之, 原田 容二, 斉藤 利彦
1987 年 84 巻 7 号 p.
1381-1388
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
プロトンポンプインヒビターの一つである Omeprazole を成熟過程のラットに出生当日より4週間皮下投与し, 胃粘膜のDNA合成に与える影響について
3H-thymidine autoradiography を用いて検討した. 腺窩あたりの標識細胞数ではOPZ 50mg/kg投与例で胃底腺•幽門腺いずれに於いても control 群に比べ有意な増加を示し, さらに胃底腺粘膜では標識細胞が腺頚部ばかりでなく腺底部まで広い範囲にわたり分布していた. また, このOPZ投与による胃粘膜DNA合成増加はDNAに取込まれた
3H-thymidine の放射活性測定においても同様な結果が得られた. しかし, これらの変化は投与中止により正常化する傾向が見られた.
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インドメタシン潰瘍について
荻野 景規, 岡 紳爾, 松浦 伸二郎, 坂井田 功, 由村 俊二, 松田 和也, 佐々木 敏行, 山本 一成, 岡崎 幸紀, 竹本 忠良
1987 年 84 巻 7 号 p.
1389-1393
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
急性胃粘膜病変と superoxide radical は最近注目されているところであるが, 著者らは, indomethacin によつて誘発される胃粘膜病変に対して, radical scavenger である superoxide dismutase (SOD) や catalase が抑制効果を有することを見出した. また, SODが胃粘膜血流の増加傾向作用, 胃酸分泌の抑制作用, そして軽度の胃粘膜PGE2合成促進傾向を有していることもわかつた. このことから, SODや catalase による indomethacin 潰瘍の抑制は, indomethacin によるPGE2合成阻害作用が軽減されているためか, もしくは, indomethacin 潰瘍の発症機序に endotoxin が関与しているためと思われた.
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船越 琢, 村田 有志, 棟方 昭博, 黒江 清郎, 吉田 豊, 田島 強
1987 年 84 巻 7 号 p.
1394-1400
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
潰瘍性大腸炎 (UC) およびクローン病 (CD) の発症, 再燃に対する喫煙の影響を明らかにするため, UC 111例, CD 25例で症例•対照研究を行つた. 喫煙習慣を Non-smoker (NS), Ex-smoker (ES) および Smoker (S) に分類し, 危険比 (RR), 用量反応関係 (DRR) 等について検討した. UC発症のRRは, ESで0.89, Sで0.50であり, Sで有意に小さかつた. 喫煙量とUC発症には負のDRRがあり, 21本/日以上ではUC発症が有意に少なかつた. CD発症のRRはSで0.53と小さかつたが有意差は認められず, DRRも認められなかつた. よつて, 喫煙がUC発症の危険を抑制している可能性が示唆されたが, CD発症とは関連が認められなかつた.
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申 東桓, 阪上 吉秀, 溝口 靖紘, 武田 弘, 関 守一, 小林 絢三, 山本 祐夫, 森沢 成司
1987 年 84 巻 7 号 p.
1401-1405
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
125Iで標識した2量体免疫グロブリンA (
125I-dimeric IgA) を上腸間膜静脈に注入すると, ラットにおいてはすみやかに胆汁へ排泄されたが, モルモットにおける胆汁への排泄は微量であつた. さらに注入後2時間の肝臓内に存在する放射活性は, ラットおよびモルモットで注入全放射活性のそれぞれ21.6%および17.6%であつた. また, 分離肝細胞浮遊液を調製して,
125I-dimeric IgA を添加培養すると, ラットおよびモルモット肝細胞両者ともに IgA のとりこみがみられたが, 一度とりこまれた IgA の細胞外への遊離は後者において極めて低かつた. 以上の結果から, ラットでは血漿中の IgA が能動輸送によつて胆汁に排泄されるが, モルモットにおいては, 肝細胞にとりこまれた IgA は胆汁中に移行し難いと推測された.
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佐藤 博之
1987 年 84 巻 7 号 p.
1406-1414
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
肝細胞機能総量を反映する諸検査法のうち, どのような方法が肝硬変の重症度判定のよい指標になるかについて検討した. 各検査項目で境界値を設定し予後を比較したが, 単に代償性•非代償性に大別して判定した予後に比して鋭敏性では劣つていた. より明確な重症度判定には肝容量, ICG最大除去能 (Rmax) および cholinesterase 活性 (Ch-E) の3者の組合せが最も有用で, 単位体表面積当たりの肝容量500cm
3, ICG-Rmax 0.2mg/kg/min, Ch-E 0.2ΔpHを限界値とすると, 3項目とも限界値以上では予後良好な軽症例, 1ないし2項目が限界値以下では中等症例, すべてが限界値以下では昏睡死の危険性が高い重症例であり, さらにHDL結合ICGが10%以下の症例は数カ月以内に死亡する最重症例と考えられた.
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堀池 典生
1987 年 84 巻 7 号 p.
1415-1423
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
B型慢性肝炎46例の肝生検標本につき, 肝細胞膜 HLA-class I を avidin-biotin complex を用いた酵素抗体法で検討した. HLA-class I は全例陽性で, 瀰漫性, 蜂巣状に観察されたが, 一部濃染部を認めた. Diffuse 型 (濃染部なし) はCIHに多かつた. HBe抗原陽性群, HBe抗体陽性でGPT異常群は, ともに Focal 型 (巣状濃染部), Zonal 型 (層状濃染部) をCAHに多く認め, 特に Focal 型は, 肝炎増悪と関連していた. IFN投与4例中3例る HLA-class I の程度が増強した.
B型慢性肝炎において, cytotoxic T cell が感染肝細胞に作動する際必要とする HLA-class I の肝細胞膜への表出を認め, また HLA-class I 表出と肝炎増悪との密接な関連性を実証した.
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高安 賢一, 村松 幸男, 森山 紀之, 山田 達哉, 長谷川 博, 岡崎 伸生, 広橋 説雄, 津金 昌一郎
1987 年 84 巻 7 号 p.
1424-1432
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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小型肝細胞癌 (5cm以下) 97例の術後残肝再発について以下の成績を得た. (1) 術後9カ月~9年1カ月間の観察期間で平均14.5カ月後に55.7% (54例) の高頻度に残肝再発をみとめた. (2) 再発の高危険因子として, 非単発病巣, HBs抗原陰性があげられ, 単発病巣 (n=41) では腫瘍径および, 被膜の有無で有意差をみとめた. 術前肝動脈塞栓 (TAE) 療法は術後の再発抑制に有効でなかつた. (3) 全切除症例, 未再発例 (n=43), 再発例 (n=54) の予後は各々, 1生率, 89%, 93%, 87%; 3生率, 54%, 84%, 45%; 5生率, 26%, 84%, 12%であつた. (4) 再発例中再発後TAE施行群 (n=31) と未施行群 (n=23) の予後は各々, 1生率, 73%, 37%; 3生率, 47%, 0%; 5生率, 16%, 0%であつた.
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坂本 芳也, 岡崎 和一, 山本 泰朗
1987 年 84 巻 7 号 p.
1433-1441
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
日本猿5頭を用いて, 十二指腸乳頭部機能, 膵腺房膵管系について電気生理学的, 組織学的に検討した. 膵管内圧を約20mmHg迄上昇させると, 筋電図上乳頭部は弛緩, 開放状態になると考えられた. しかし乳頭部に膵管内圧の及ばない条件では筋電図に変化は認められず, 乳頭部に圧感受部位を有する"膵管•乳頭部系の圧反射弓"の存在が示唆された. 光顕, 電顕的観察では25mmHgの加圧で, periacinar space への墨汁の流出, 高度な腺房膵管腔の拡張と腺房細胞間の開大を認め, 腺房細胞間より逆流する可能性が考えられた. 以上より圧緩衝機構としての乳頭部運動, 腺房膵管系の重要性が示唆された.
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中村 隆彦, 大槻 眞, 谷 聡, 藤井 正俊, 岡 徹, 馬場 茂明
1987 年 84 巻 7 号 p.
1442-1446
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
エタノールの膵外分泌機能に及ぼす影響をラット摘出膵潅流標本を用いて検討した. エタノール340mMは, Ca
2+を介して膵酵素分泌を刺激する cholecystokinin (CCK) と carbamylcholine による膵外分泌反応を抑制したが, cyclic AMPを介して膵酵素分泌を刺激する secretin と vasoactive intestinal polypeptide (VIP) による膵外分泌反応は抑制しなかつた. エタノールのCCKと carbamylcholine 刺激に対する膵外分泌抑制作用は calcium ionophore (A23187) 1μMをエタノールと同時に添加するかあるいは潅流液中のカルシウム濃度を2.5mMから5mMに増加させると解除された. 本研究の結果から大量のエタノールは受容体以降のレベルでカルシウム移動の段階に作用して膵外分泌反応を抑制すると考えられた.
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上田 圭介, 沼田 幸子, 高松 和永, 安岡 伸和, 末廣 正, 山野 利尚, 大野 文俊
1987 年 84 巻 7 号 p.
1447-1452
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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前田 正人, 酒井 義法, 小山 恒, 戸塚 慎一, 坂本 龍, 金山 正明
1987 年 84 巻 7 号 p.
1453-1456
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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伊藤 良, 千葉 満郎, 正宗 研, 和賀 卓, 佐藤 新一
1987 年 84 巻 7 号 p.
1457-1461
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
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福田 博之, 米倉 甫明, 藤田 善幸, 西崎 統, 久保田 譲
1987 年 84 巻 7 号 p.
1462-1465
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
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西田 修, 森安 史典, 中村 武史, 伴 信之, 玉田 尚, 川崎 俊彦, 三浦 賢佑, 酒井 正彦, 内野 治人, 三宅 健夫
1987 年 84 巻 7 号 p.
1466-1470
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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平沼 孝之, 小山 捷平, 中原 朗, 田中 直見, 山形 迪, 武藤 弘, 福富 久之, 大菅 俊明, 菊池 正教
1987 年 84 巻 7 号 p.
1471-1475
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
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高橋 仁公, 山田 昇司, 竹沢 二郎, 堀越 勤, 植原 政弘, 長嶺 竹明, 小林 節雄, 桑原 英真
1987 年 84 巻 7 号 p.
1476-1481
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
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光藤 章二, 高升 正彦, 辻 秀治, 古谷 慎一, 西田 博, 佐藤 達之, 岡野 均, 丸山 恭平, 児玉 正, 瀧野 辰郎, 時田 和 ...
1987 年 84 巻 7 号 p.
1482-1487
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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松木 茂樹, 金森 晃, 渋谷 明隆, 国分 茂博, 山田 伸夫, 石井 公道, 柴田 久雄, 岡部 治弥, 佐藤 友昭, 亀谷 徹, 奥平 ...
1987 年 84 巻 7 号 p.
1488-1493
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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佐藤 達之, 児玉 正, 高升 正彦, 布施 好信, 瀧野 辰郎
1987 年 84 巻 7 号 p.
1494
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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六反 一仁, 河合 隆, 青池 晟, 川井 啓市
1987 年 84 巻 7 号 p.
1495
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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山西 康仁, 三浦 邦彦, 川崎 寛中, 平山 千里
1987 年 84 巻 7 号 p.
1496
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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増沢 成幸, 仲野 明, 石黒 直樹, 鬼頭 文彦, 杉田 昭, 山崎 安信, 福島 恒男, 土屋 周二
1987 年 84 巻 7 号 p.
1497
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
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山崎 雄一郎, 黒島 俊夫, 辻 影俊, 川本 博司, 東本 好文, 坂村 泰久, 樫村 雅典, 姫野 誠一, 垂井 清一郎
1987 年 84 巻 7 号 p.
1498
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
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真辺 忠夫, 野中 敦, 山木 健一郎, 大塩 学而, 吉村 高士, 浅野 昇, 平野 鉄也, 西川 秀文, 戸部 隆吉
1987 年 84 巻 7 号 p.
1499
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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