ヌードマウス移植ヒト肝細胞癌とヒト肝細胞癌培養細胞に対するインドメサシンの影響を調べた. 移植腫瘍は原腫瘍の形態およびα-fetoprotein (AFP)産生能を良く維持した. 移植当日よりインドメサシン腹腔内連日投与(4mg/kg体重)群6例中3例は, 生着増殖約2週間後より退縮を示し, 非退縮例3例で壊死巣の増大を認めた. マイクロアンギオグラム上, 腫瘍は乏血管性かっ血管は繊細で, 光顕的には類洞様血管網の内皮細胞の未熟性が窺われた. 一方, ヒト肝細胞癌培養細胞にインドメサシンを投与し, 10-10M~10-6M濃度下で細胞増殖促進傾向を認めた. インドメサシンは腫瘍血管新生を抑制し, 腫瘍の発育増大に影響を与える可能性が示唆された.