日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
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ラット胃におけるプロスタグランジン合成系の概日リズム
荒川 哲男佐藤 博之福田 隆佐久間 裕之小林 健司中村 肇小林 絢三
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1988 年 85 巻 3 号 p. 655-658

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抄録

ラットを用いて胃粘膜プロスタグランジン (PG) 系およびサイトプロテクション能の日内変動を検討した. 胃内腔へのPGE2遊離量は深夜から早朝にかけて低値を示し, 午前8時~10時に最高値となり, 昼~夕は中間値を維持する概日リズムがみられたが, 酸分泌にはこのようなリズムは認められなかつた. 胃粘膜PGE2量は遊離量とほぼ平行して午前2時にもつとも低値を, 午前10時にもつとも高値を示した. サイトプロテクション能の指標である0.6N HCl惹起性胃粘膜傷害の程度は, 午前2時に強く午前10時に弱い傾向が得られた. これらの成績から, 胃粘膜においてPG合成系は概日リズムを有することが示唆された.

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