日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
Cholecystokinin (CCK) の bioassay 法の確立と慢性膵炎における血中CCKの分泌動態
小出 亮岡林 克典長谷川 博司谷 聡藤沢 貴史中村 隆彦藤井 正俊大槻 眞
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キーワード: 遊離膵腺房, 慢性膵炎
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1989 年 86 巻 10 号 p. 2419-2424

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抄録

Cholecystokinin (CCK) の bioassay 法を確立し, 慢性膵炎症例におけるCCK分泌動態と病態との関連を検討した. ラット遊離膵腺房を cycloheximide で処理するとCCKに対する感受性が亢進し, 0.17pMの血漿CCK (CCK8当量) まで測定可能であつた. この bioassay 系はCCKに特異的で, 他の消化管ホルモンの影響を受けなかつた. 本 bioassay 法を用いて, 健常者, 慢性非石灰化膵炎及び慢性石灰化膵炎症例において牛乳400mlとゆで卵2個からなる試験食負荷を行ない血漿CCK分泌を測定した. 慢性非石灰化膵炎症例では, 健常者に比べCCK基礎値だけではなく負荷後の反応も有意に高値であつた. 一方, 慢性石灰化膵炎症例ではCCK基礎値は健常者と有意差はなかつたが, 負荷後の反応は有意に低値であつた.

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