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折笠 和栄
1989 年 86 巻 10 号 p.
2365-2372
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
内視鏡的食道静脈瘤硬化療法による血栓形成に最も重要と考えられる血管の内皮細胞障害の機序を明らかにするために ethanolamine oleate (EO), Aethoxysklerol (AS) および純エタノール (Et) の3種の硬化剤による培養ヒト血管内皮細胞と継代培養K-562細胞に対する細胞形態の変化と
51Cr標識細胞からの放射能活性の遊離を測定した. その結果, 内皮細胞障害機序につきEOとASおよびEt間に作用の強弱と若干の相違がみられた.
EOは細胞形態の消失と高い
51Cr遊離を示したことから, 細胞膜を障害して細胞溶解を起こすと考えられた. ASは中等度の細胞溶解と中等度の
51Cr遊離を示した. Etは細胞形態をとどめて細胞を死滅させ,
51Cr放出を示さないことから, 細胞固定壊死作用が強いと考えられた.
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川村 武, 小泉 文明, 石森 章
1989 年 86 巻 10 号 p.
2373-2378
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
ウルソデオキシコール酸 (UDCA) の胃粘膜に及ぼす影響をみる目的で, UDCA添加飼料にて長期間飼育したラットを用い, 水浸拘束ストレス負荷時の胃粘膜障害に対する効果を検討した. その結果, UDCA投与ラットではストレス負荷後2時間の初期胃粘膜障害が対照群に比して著明に抑制され, また粘膜内過酸化脂質 (lipid peroxide, LPO) の増加も抑制された. 脂質過酸化のスカベンジャーでは, catalase が粘膜内および血中ともにストレス負荷後の上昇が有意に抑制された. これらの所見から, UDCAはストレス負荷により惹起される胃粘膜障害発生を初期において抑制し, その機序には脂質過酸化の抑制効果が関与していることが示唆された.
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梅本 俊治, 小平 進, 阿部 令彦, 高見 博
1989 年 86 巻 10 号 p.
2379-2386
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
1,2-dimethylhydrazine (DMH) 誘発大腸腫瘍発生に対する theophylline の影響および ornithine decarboxylase (ODC) •ポリアミンとの関連を検討した. BALB/c雌性マウスを用い, DMHは30mg/kg, sc, 1回/週投与, theophylline は120mg/kg/日飲水中混入連続投与とし, 実験開始後29週目に屠殺した. Theophylline 投与により, 腫瘍発生数は同量DMH投与の約3倍に増加し, また大腸組織中ODC活性•ポリアミン値も増加し, ODC活性と腫瘍発生数の間に有意の相関 (p<0.05) を認めた. よつてDMH誘発大腸腫瘍発生において theophylline は促進的に作用し, 大腸組織中ODC活性亢進•ポリアミン値増加が腫瘍発生の重要な要素であることが示された.
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鈴木 昌文, 金子 栄蔵, 山口 建, 阿部 薫
1989 年 86 巻 10 号 p.
2387-2393
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
mRNAの構造が既知のホルモンについて, 対応するDNAプローブを合成し Northern blot hybridization を行うmRNAの検出法により, gastrin, somatostatin, gastrin-releasing peptide および calcitonin のmRNAの存在を検討し, 各種消化管ホルモンのmRNAの検討が可能であることを証明した. 高濃度の消化管ホルモン免疫活性が検出された組織に対応するmRNAの増加が認められ, ホルモンの測定系がない場合でも, 本法を用いたmRNAの検討によりホルモンの産生を推定できると考えられた. また, 多種の消化管ホルモン産生が知られている膵内分泌腫瘍組織の1例において, ホルモン免疫活性濃度と共に多種の成熟型mRNAが増加しているを明らかにした.
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五十嵐 潔
1989 年 86 巻 10 号 p.
2394-2403
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
糖鎖性癌抗原SLXおよびCA19-9の大腸癌における腫瘍マーカーとしての意義について検討した. その結果, 免疫組織化学的検討では, SLX, CA19-9の陽性率は, 進行癌では96.2%, 88.8%, 腺腫では60%, 50%, m癌では94%, 80%, sm 癌では93%, 80%, 正常粘膜では陰性であつた. すなわち, SLX, CA19-9はいずれも大腸癌組織に高率に認められ, かつ腺腫でも陽性を示す例が多く, 正常粘膜ではすべて陰性であつたことから, 前癌状態を捉えるマーカーとして, 有意義なことが示唆された. また, 血清におけるSLX, CA19-9の陽性率は20.6%, 25.9%で, 陽性率は Dukes 分類の進行度と相関した.
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高安 賢一, 幕内 雅敏, 広橋 説雄, 岡崎 伸生, 村松 幸雄, 森山 紀之, 高山 忠利, 長谷川 博
1989 年 86 巻 10 号 p.
2404-2412
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
Adenomatous hyperplasia (AH) 9例 (14病変), 肝細胞癌を内包するAH 22例 (28病巣) および境界病巣10例 (12病巣) 計41例 (54病巣) について, 各種画像診断法における有病正診率を検討した. 全病変及び癌を内包するAHの正診率は各々術中超音波; 70%, 88%, 門脈CT; 58%, 71%,; 術前超音波; 44%, 64%, 肝動脈CT; 38%, 50%, CT; 33%, 58%, 血管造影; 17%, 31%, Lipiodol-CT; 9%, 25%の順で癌病巣を内包する病変の方が正診率が高かつた. 血管造影で腫瘍濃染のみられた8例 (17%) はすべて癌を内包するAHであつた. 54病変の平均径は1.2cmと小さく35例 (85%) に肝硬変が併存していた. 肝動脈塞栓療法で壊死を呈した "癌を内包するAH" は1例もみられなかつた.
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深沢 信悟, 仲野 明, 鬼頭 文彦, 土屋 周二
1989 年 86 巻 10 号 p.
2413-2418
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
純コレステロール結石は, Methyl Tertiary Butyl Ether (以下MTBE) で完全に溶解されるが, 本邦に多いコレステロール混合石に対する溶解作用を検討したところ, 6~12時間を要した. そこでMTBEに1%EDTAと0.5%UDCAを添加して用いると, 混合石の溶解が促進され, 3時間後には結石重量が56±8%に減少した. さらに, 溶媒の灌流と結石と砕石を付加してみると, 3~8時間で96%以上溶解した. 混合石に対してもMTBEに添加剤を加えて灌流し, さらに砕石などの操作を加えると有効に溶解できると考えられた.
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小出 亮, 岡林 克典, 長谷川 博司, 谷 聡, 藤沢 貴史, 中村 隆彦, 藤井 正俊, 大槻 眞
1989 年 86 巻 10 号 p.
2419-2424
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
Cholecystokinin (CCK) の bioassay 法を確立し, 慢性膵炎症例におけるCCK分泌動態と病態との関連を検討した. ラット遊離膵腺房を cycloheximide で処理するとCCKに対する感受性が亢進し, 0.17pMの血漿CCK (CCK8当量) まで測定可能であつた. この bioassay 系はCCKに特異的で, 他の消化管ホルモンの影響を受けなかつた. 本 bioassay 法を用いて, 健常者, 慢性非石灰化膵炎及び慢性石灰化膵炎症例において牛乳400mlとゆで卵2個からなる試験食負荷を行ない血漿CCK分泌を測定した. 慢性非石灰化膵炎症例では, 健常者に比べCCK基礎値だけではなく負荷後の反応も有意に高値であつた. 一方, 慢性石灰化膵炎症例ではCCK基礎値は健常者と有意差はなかつたが, 負荷後の反応は有意に低値であつた.
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森吉 百合子
1989 年 86 巻 10 号 p.
2425-2433
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
コレシストキニン (CCK) の膵外分泌刺激作用とそれに対するセクレチン (SEC) の相乗効果を麻酔下のラットで検討した. CCK-8を3用量 (0.03, 0.06, 0.12μg/kg-hr) で1時間静脈投与し, 膵管より純粋膵液を採取した. CCK-8により, 膵液量, 重炭酸塩分泌量, アミラーゼ•トリプシン分泌量はいずれも有意に用量依存性に増加した. SEC0.03CU/kg-hrをCCK-8の各用量を併用すると, 膵外分泌量はCCK-8単独投与時に比べ有意に増加し, それらはCCK-8単独とSEC単独投与による膵外分泌量の総和よりも高く, SECはCCK-8刺激の膵外分泌に対し相乗効果を示した. また, proglumide は, CCK-8とSEC併用群での膵外分泌量をSEC単独群のレベルまで有意に抑制した.
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上野 恵子, 磯部 義憲, 今里 雅之, 山田 明義, 新見 晶子, 竹内 正, 吉井 克己, 今泉 俊秀, 秋本 伸, 羽生 富士夫, 児 ...
1989 年 86 巻 10 号 p.
2434-2443
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
インスリノーマの17例18病変を対象に, 各種画像診断法 {US•CT•血管造影•経皮経肝門脈血採血 (PTPS)•術中超音波検査 (IOUS)} の診断能とその問題点について検討した. 診断率は, US39%•CT72%•血管造影81%で, これらを合わせると15病変 (83%) の診断が可能であつたが, 多発病変の可能性は否定できなかつた. PTPSにおけるIRI値の評価に関しては, 200μU/ml以上の上昇を示すか, 200μU/ml以下の場合は control との比で3倍以上を示し, かつCPRの高値を伴う場合を有意とすると, その診断率は91%であつた. これらの検査結果を総合的に判定することにより, 全例の術前診断が可能であつた. また, IOUSでは12病変全例の診断ができた.
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藤田 直孝, 李 茂基, 小林 剛, 木村 克巳, 渡邊 浩光, 望月 福治, 山崎 匡, 伊藤 賢司, 宮川 菊雄, 深谷 雄一郎, 菅原 ...
1989 年 86 巻 10 号 p.
2444-2450
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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木曽 真一, 柏原 赴, 木戸 良明, 大木 篤, 川上 房男, 多胡 基, 奥野 魏一, 山田 克己, 富永 修盛, 青笹 克之
1989 年 86 巻 10 号 p.
2451-2455
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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小木曽 清二, 二村 雄次, 岡本 勝司, 前田 正司, 神谷 順一, 早川 直和, 塩野谷 恵彦
1989 年 86 巻 10 号 p.
2456-2459
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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三浦 義明, 近藤 公亮, 渡辺 恒雄, 加賀 誠司, 班目 健夫, 吉田 俊巳, 鈴木 一幸, 佐藤 俊一, 神谷 亮一, 引地 勲, 高 ...
1989 年 86 巻 10 号 p.
2460-2463
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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宮崎 寛, 高木 一郎, 戸島 恭一郎, 鬼沢 信明, 銭谷 幹男, 亀田 治男, 山口 裕
1989 年 86 巻 10 号 p.
2464-2468
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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北井 浩一朗, 山下 善正, 井内 英人, 木村 吉男, 市川 幹郎, 近藤 俊文
1989 年 86 巻 10 号 p.
2469-2473
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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新山 徹美, 唐仁原 寛, 佐伯 啓三, 藤林 圭一, 宇留島 一郎, 徳元 攻, 西俣 嘉人, 政 信太郎, 肝付 兼達, 中原 信昭
1989 年 86 巻 10 号 p.
2474-2479
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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比嘉 昭彦, 阿部 達也, 名和 行文, 板野 晃也, 原口 靖昭, 田仲 謙次郎, 吉田 隆亮
1989 年 86 巻 10 号 p.
2480
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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下田 泉, 石塚 仁, 村上 学, 佐藤 和生, 平野 博之, 丹野 尚昭, 大平 千秋, 小泉 勝, 豊田 隆謙
1989 年 86 巻 10 号 p.
2481
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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