1989 年 86 巻 12 号 p. 2721-2727
FACS flow cytometry を用い蛍光モノクローナル抗体二重染色法により末梢血リンパ球IL-2R+ Leulla+cell (A) とHLADR+Leulla+ cell (B) を算定した. (A) の成績は, HCCではCALD, ASC, 健常人に比較して有意に減少していた. (A) が検出されなかつた (0.1%以下) 症例はHCC13例中8例, CALD22例, ASC11例中それぞれ1例であつた. (B) の成績は, HCC, CALD, ASC, AH, 健常人のいずれの群間においても有意の差を認めなかつた. 以上よりIL2Rを保有する成熟NK細胞はHCCで著明に減少していた. その減少はHCCの存在によると考えられた.