日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
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経皮的胆嚢ドレナージの適応と有用性に関する臨床的検討
伊藤 文憲土屋 幸浩大藤 正雄
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1989 年 86 巻 8 号 p. 1673-1683

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抄録

急性胆嚢炎48例を含む胆道, 膵疾患78例に急性炎症の治療や閉塞性黄疸の治療などを目的として経皮的胆嚢ドレナージ (PGD) を応用してその有用性を検討した. PGDは, 特に急性胆嚢炎に対し炎症所見の改善, 臨床症状の消退をもたらし著明な治療効果を示した. 更に, PGDを行わないで治療した急性胆嚢炎を対照として臨床症状, 検査所見, 超音波所見などを検討し, 胆嚢腫大, 壁肥厚, 壁内低エコー帯の超音波所見がPGDの適応の決定に役立つことを明らかにした. なお, PGDは他の胆汁ドレナージ法では困難な急性胆管炎や閉塞性黄疸に応用し有効であつた. また, PGDは胆嚢造影陰性例の胆嚢造影や胆汁細胞診に応用し診断に役立つた.

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