1990 年 87 巻 12 号 p. 2629-2634
胆膵疾患におけるCTでの主膵管出現の意義を明らかにする為に, ERPの主膵管径と, CTにおける主膵管出現率に関する比較研究を行なつた. ERPで正常な主膵管が低頻度ながらCTで描出された. また, 主膵管の部位別出現頻度では, 膵体部で最も出現頻度が高かつた. 対照群と比較して有意に主膵管径が拡大を示した moderate pancreatitis (MOP), advanced pancreatitis (ADP) 症例のなかでCTで有意に主膵管が出現したのはADPのみであり, 主膵管径と主膵管出現率との間に一部, 成績の解離が認められた. 主膵管出現率を高める為にCTの条件設定の吟味が今後必要と考えられた.