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ヒスタミン受容体の検討
近藤 均, 谷 礼夫, 三輪 剛
1990 年 87 巻 12 号 p.
2579-2586
発行日: 1990年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
酵素処理および percoll 密度勾配法により得られたモルモット単離胃平滑筋細胞を用いて, histamine 刺激による平滑筋の収縮機序につき検討を行つた. 平滑筋細胞は, histamine 刺激に対して, 濃度依存性に収縮率の増加および細胞内Ca
2+濃度の上昇を示した. H
1 receptor agonist は細胞内Ca
2+濃度を上昇させ, H
1 receptor antagonist は, histamine 刺激による細胞内Ca
2+濃度の上昇を抑制した. H
2 receptor agonist による細胞内Ca
2+濃度の変動はなく, H
2 receptor antagonist は, histamine による細胞内Ca
2+濃度の変動に影響しなかつた. 以上より, histamine によるモルモット胃平滑筋の収縮はH
1 receptor を介して発現すると結論した.
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吉川 信夫
1990 年 87 巻 12 号 p.
2587-2593
発行日: 1990年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
ヒスタミンH
2受容体拮抗剤 (H
2-blocker) famotidine 14日投与のラット胃ガストリン•ソマトスタチン分泌への影響を解明するために単離胃灌流系を用いボンベシン•グルカゴン刺激に対する反応性を検討し, さらに血清ガストリン, 胃粘膜内ガストリン•ソマトスタチン, 胃前庭部粘膜G細胞•D細胞密度を測定した. famotidine の14日投与によつて, ガストリンの基礎分泌値•ボンベシンに対する反応性•胃粘膜内濃度•G細胞密度の上昇とソマトスタチンのグルカゴンに対する反応性の低下が生じた. 以上, H
2-blocker 投与は胃ガストリン分泌のみならず胃ソマトスタチン分泌にも影響を及ぼし, H
2-blocker 投与中止後の潰瘍再発の原因の一つと思われた.
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酒井 靖夫
1990 年 87 巻 12 号 p.
2594-2604
発行日: 1990年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
ヒト腸管での肝型脂肪酸結合蛋白 (L-FABP) を腸管切除標本を用いて single radialimmunodiffusion (SRID) 法で定量した. L-FABPは食道, 胃を除く十二指腸, 空腸, 回腸, 大腸までの粘膜の吸収上皮細胞にのみ比較的均一に含有され, その濃度は空腸で上清蛋白の約1.5%と最も高く, 次いで回腸, 十二指腸の順で分布し, 脂肪酸の吸収や細胞内転送などへの関与が示唆された. 小腸のL-FABP濃度は脂肪負荷の有無による有意な差異はみられず, またIVH施行期間との間にも相関を認めなかつた. 一方, 血清トリグリセリドおよび総コレステロール値と有意に相関した. 正常例では全大腸に下部小腸と同程度のL-FABP量が存在し, 各種大腸疾患のうち大腸癌では癌細胞内に対照と同等量含まれ, 潰瘍性大腸炎では有意に低値を示していた.
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卜部 健
1990 年 87 巻 12 号 p.
2605-2613
発行日: 1990年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
糖鎖抗原CA-50の各種肝疾患での上昇機序を解明するため血清学的, 免疫組織学的に病態との関連, および悪性腫瘍におけるCA-50との構造上の異同について検討を行つた. 血清CA-50値は小葉改築を伴う慢性活動性肝炎, 肝硬変, 肝細胞癌で高値を示したが, GPT, γ-GTPとは相関しなかつた. 免疫組織学的には増生細胆管が染色陽性となり, 肝癌細胞は陰性であつた. 血清値と増生細胆管の程度との間には解離が認められたが, 数量化した染色陽性の増生細胆管数とは有意に相関した (r=0.62, p< 0.05). 肝疾患と膵癌症例におけるCA-50の比較ではFPLCシステムによる溶出パターンに明らかな差異はなく, 分子量のピークは共に300万以上であつた. またConA, LCAで認識される糖鎖構造との共存率にも相違は認めなかつた. 以上より肝疾患におけるCA-50は悪性腫瘍で出現するものと構造上の差異は明らかでなく, また肝疾患における上昇は細胆管, 特に胆管細胞由来の細胆管増生に起因すると考えられた.
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in vitro における測定法と肝細胞の貪食能に及ぼす影響
新本 修一, 嶋田 紘, 中川原 儀三
1990 年 87 巻 12 号 p.
2614-2622
発行日: 1990年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
Kupffer 細胞 (KC) の貪食能測定法と貪食能に対する肝細胞 (HC) の影響を検討した. KC (2×10
6) の培養液に chondroitin sulfate
59Fe添加24時間後のKCの
59Fe摂取率を貪食能 (PAR%) とした. KC単独のPARは3.36で, HCとの共同培養時のPARは, HCの増加 (2×10
5, 5×10
5, 1×10
6) と共に有意に上昇 (4.13, 5.37, 6.28) した. HC (5×10
5) の培養液上清で培養したPARは4.15と有意に上昇した. PARは解糖阻害剤 (NaF) により, 単独で1.82,共同培養で3.30と有意に低下し, 酸化的リン酸化阻害剤(NaN
3)により単独, 共同培養で3.04, 4.58と軽度に低下した. 以上 in vitro に於けるPAR測定法を確立し, PARがHCとの共同培養やHCの培養液上清で促進し, 解糖系代謝に依存することを明らかにした.
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小野 成樹, 森安 史典, 玉田 尚, 川崎 俊彦, 山下 幸孝, 木村 達, 梶村 幸三, 染田 仁, 濱戸 教行, 大熊 稔
1990 年 87 巻 12 号 p.
2623-2628
発行日: 1990年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
肝癌の診断の一助として, 血漿の
1H-NMRスペクトロスコピーを検討した. 400MHz(9.4Tesla) の
1H-NMRスペクトロメーターで肝癌患者 (HCC) 20例, 肝硬変患者 (LC) 10例, 健常者 (NC) 10例の血漿脂質のメチル, メチレンピークを観察した. メチルの半値幅はNC41.3±7.2Hz (mean±S.D.), LC34.8±6.9Hz, HCC29.6±5.7HzでNCとHCCでは有意差を認めた. 一方, メチレンの半値幅には有意差を認めなかつた. しかしメチレンピークの波形には明かな相違がみられた. 即ち, LCとHCCの波形が先端鈍の幅狭型に対し, NCの波形は先端鋭の幅広型を示した. この波形の違いは特徴的であつた. 又, 半値幅と生化学データーの間には強い相関はなかつた.
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丹野 尚昭, 中目 千之, 山崎 日出雄, 佐々木 雅佳, 佐藤 和一, 小松 寛治, 豊田 隆謙
1990 年 87 巻 12 号 p.
2629-2634
発行日: 1990年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
胆膵疾患におけるCTでの主膵管出現の意義を明らかにする為に, ERPの主膵管径と, CTにおける主膵管出現率に関する比較研究を行なつた. ERPで正常な主膵管が低頻度ながらCTで描出された. また, 主膵管の部位別出現頻度では, 膵体部で最も出現頻度が高かつた. 対照群と比較して有意に主膵管径が拡大を示した moderate pancreatitis (MOP), advanced pancreatitis (ADP) 症例のなかでCTで有意に主膵管が出現したのはADPのみであり, 主膵管径と主膵管出現率との間に一部, 成績の解離が認められた. 主膵管出現率を高める為にCTの条件設定の吟味が今後必要と考えられた.
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曽山 信彦, 大柳 治正, 斎藤 洋一
1990 年 87 巻 12 号 p.
2635-2641
発行日: 1990年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
消化器癌患者の所属リンパ節および脾臓を用いヒト•モノクローナル抗体(MoAb)の作製を試み, 次の結論を得た. (1)ヒトMoAbの免疫組織化学的検討の際, 非特異反応を抑え良好な感度を得るには酵素抗体間接法より直接法変法が有用だつた. 本法によるスクリーニングで胃癌患者脾臓由来のMoAb No. 235 (IgM) を選択した. (2)No. 235は胃癌(8/10)•大腸癌 (5/8)•膵癌 (3/6)などと反応し, 正常組織とほとんど反応しなかつた. 培養細胞ではKATO IIIと強く反応した. (3)No. 235のエピトープには蛋白の関与が示唆され, 既報の抗CEAマウスMoAbやKM01との交叉反応は認めず, 消化器癌の診断治療に臨床応用しうる新しいヒトMoAbと考えられた.
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長谷川 新治, 笠原 彰紀, 奥野 敦史, 河野 通一, 柏尾 真司, 萩原 秀紀, 金子 晃, 尾下 正秀, 平松 直樹, 道田 知樹, ...
1990 年 87 巻 12 号 p.
2642-2645
発行日: 1990年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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鬼塚 俊夫, 清水 深雪, 星野 洋, 高原 理, 小原 淳, 市川 和男, 市川 正章, 横井 俊平
1990 年 87 巻 12 号 p.
2646-2650
発行日: 1990年
公開日: 2007/12/26
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山本 哲夫, 謝花 典子, 野坂 康雄, 古城 治彦, 三浦 邦彦, 藤井 武親, 川崎 寛中
1990 年 87 巻 12 号 p.
2651-2655
発行日: 1990年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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田澤 立之, 岡 裕爾, 中村 裕一, 高橋 敦
1990 年 87 巻 12 号 p.
2656-2659
発行日: 1990年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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石井 博, 新井 一成, 嘉悦 勉, 伊東 司, 佐藤 徹, 丸岡 義史, 鈴木 恵史, 村上 雅彦, 加藤 貞明, 河村 正敏, 小池 正
1990 年 87 巻 12 号 p.
2660-2664
発行日: 1990年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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黒田 博之, 田島 純子, 榊原 裕司, 石山 泰二郎, 中沢 真人, 北見 啓之
1990 年 87 巻 12 号 p.
2665-2668
発行日: 1990年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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小松 眞史, 後藤 充男, 石田 真一, 新澤 真理, 石田 秀明, 正宗 研, 吉田 司, 伊藤 誠二, 加納 正史, 村田 雅彦, 山田 ...
1990 年 87 巻 12 号 p.
2669-2674
発行日: 1990年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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阿南 陽二, 二村 雄次, 亀岡 伸樹, 神谷 順一, 前田 正司, 近藤 哲, 安井 章裕, 塩野谷 恵彦
1990 年 87 巻 12 号 p.
2675-2679
発行日: 1990年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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増田 幹生, 丸山 正隆, 田中 篤, 河本 里美, 藤田 善幸, 真山 亨
1990 年 87 巻 12 号 p.
2680-2684
発行日: 1990年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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山田 幸生, 石川 裕章, 安田 大助, 堤 卓也, 伊藤 鉄英, 横田 昌樹, 船越 顕博, 江崎 卓弘, 古澤 元之助, 井口 東郎, ...
1990 年 87 巻 12 号 p.
2685-2689
発行日: 1990年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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原田 雅光, 和田 大助, 河崎 秀樹, 古味 信彦
1990 年 87 巻 12 号 p.
2690
発行日: 1990年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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工藤 正俊, 冨田 周介, 樫田 博史, 三村 純, 岡部 純弘, 平佐 昌弘, 藤堂 彰男, 谷 友彦, 梶原 建熙
1990 年 87 巻 12 号 p.
2691
発行日: 1990年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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