1990 年 87 巻 7 号 p. 1491-1498
ステレオ電子内視鏡とパーソナルコンピューターより成る計測システムで, 胃内の計測を行つた. 長さ10mmから50mmまでの対象を, レンズからの距離と角度を変化させて計測を行うと, 計測誤差は8.5%以下にとどまつた. 模型の胃壁に円盤を塗布し, 内視鏡的に直径を計測したところ, メジャー鉗子を使用したのに対し本システムを使用した場合の計測誤差, 検査の所要時間は著明に改善された. また, 胃病変を有する6症例につき胃の病変部および健常粘膜における計測を行い, 新鮮切除標本における長さと比較すると, 健常粘膜部に対し病変部は基礎的検討とほぼ同等の精度を得た. 本システムの信頼性は高く, 臨床使用に耐えられると思われる.